モチベーションが下がる原因を理論的に考えてみる

最近インターンで調査系の仕事をしています。
簡単に言うと海外の最新のビジネストレンドやビジネスモデルを調査してサマリーにしていく仕事です。

スプレッドシートとTech系の記事やサイトを往復して、とにかく、一日中、調査をします。

さてこの仕事は面白いと言えば面白いのですが、単純作業も非常に多く、やり続けているとけっこうしんどいです。
単純作業を続けているとモチベーションが下がることも多々あります。

この時、どのようにモチベーションを上げられるかをずっと考えているのですが、ミクロ組織論で出てくるモチベーションの理論が意外と役立つので、これを用いて考えています。
モチベーションが下がった時、参考にしてみてください笑

仕事への期待値で考える

まずモデルを簡単に示します。

【期待値モデル】
Mp=Σ{[E→P]×Σ[(P→O)(V)]}
E:Effort
P:Performance
O:Outcome
V:Valence

「Σとか無理だよ」って感じている方、ご安心ください。
僕もよく分かっていません笑

この理論が言わんとするところは、
・努力がどれだけパフォーマンスに関係するか(E→P期待)
・パフォーマンスがどれだけ結果(報酬)に関係するか(P→O期待)
・報酬がどれだけ魅力あるものか(V)
の3つの要素の掛け合わせにより、モチベーションが変わるというものです。

つまりモチベーションが下がっていると感じたら、それぞれの要素の相関を見ていけばいいわけです。
バイトの場合、固定給が多いので、金銭面でVを動かすのは難しいです。
そう考えると、Vを別のインセンティブに変えることも考えられます。
また、そもそも努力とパフォーマンスの間に相関関係があるのか考えてみたほうがいい場合もあるでしょう。

どれだけ努力しても、結果が同じだと悲しいですよね、、笑

職務設計から考える

同じくモデルから簡単に示します。

【職務設計モデル】
MPS(Motivating Potential Score)
=(skill variety+task identity+task significance)/3×autonomy×feedback

はい、Σがありません。こっちのほうが見やすいですね笑
こちらの考え方はモチベーションを職務(仕事の役目)の点から考えるモデルです。
仮定として個人の成長欲求が強い場合を想定しています。
(「成長はどうでもいい」という場合だと成立しません)

扱われている要素を順番に検討します。

・skill Variety, task identity, task significance
タスクの分業化が垂直方向(上下)、水平方向(横)に高度に進んでいる場合、モチベーションは下がります。
逆に言えば、タスクの内容を水平方向か垂直方向に伸ばせばいいわけです。

例えば今までは与えられたリストについて調べていただけだったのをリストアップ自体まで任せてもらったり(垂直方向)、Aという事業領域について調べていたのを他の人が担当しているBという事業領域まで任せてもらったり(水平方向)することが考えられます。

またマネージャーであればタスクの意義をプレイヤーにうまく理解してもらうことが大切であり、プレイヤーであれば、自分の将来や企業の将来という観点からタスクの意義を認識することが大切です。(もう無理矢理でもいいんで笑)

・autonomy
直訳すると「自律」ですが、結果的に仕事の責任感を得られるかどうかと考えると分かりやすいです。
(このモデルが想定している)人間は責任感のある役割を任せられるとモチベーションが上がります。責任感のある役割というと抽象的ですが、要は「自分がこの仕事をやらねば」という状況を作ると考えるとわかりやすいです。
一つのアプローチとして、自主的に課題を設定して、それを任せてもらうというサイクルを自立すると責任感が得られます。
(例えばマニュアルや組織内でのコミュニケーションの問題を上に自主的にあげて、その改善を任せてもらう)

・feedback
フィードバックは仕事結果への評価や感想です。
これがあると、自分の仕事の問題点に気づくので、思考や行動に修正をかけられます。
個人的には、同期でも上司でも、他の人に「自分の仕事がちゃんと見られている」という感覚がうれしいです。
逆にフィードバックが無いと、自分が出したアウトプットが十分か不安を感じます。場合によっては「一生懸命やっても適当にやっても一緒」と感じてしまいます。
ですので、フィードバックが欠落している場合は、何が何でもフィードバックが得られる状況を設定します。

ここまでで何が言いたかったかというと、要するに「何でモチベーションが下がっているんだろう」と考え、その原因を特定することで、意外と簡単にモチベーションは上がるよ、ということですね。

そしてモチベーションが下がっているという問題を分解し、原因を特定するにあたって、これらの理論が役立つこともあります。

経営学者でもプロの職業人でもありませんので、細かいところはガバガバですが、バイトやインターン、学生団体等でモチベーションが下がったら、ぜひ思い出してみてください。