12/13(日)「角野隼斗ピアノ・リサイタル」(2)
当日は夕方からの会場でのコンサートと、20時からの配信と、2部構成でした。
下は配信のセットリストです。
M1.Piano Sonata No.0 “SOUMEI” (Hayato Sumino)
ピアノソナタ第0番「奏鳴」
M2.Nuages gris S.199 (Liszt)
暗い雲
M3.Danse Macabre S.555 (Saint-Saëns= Liszt)
死の舞踏
M4.Big Cat Waltz(Hayato Sumino)
大猫のワルツ
M5.I got rhythm(Gershwin)
アイ・ガット・リズム
M6.Tinkerland (Hayato Sumino)
ティンカーランド
M7.Nocturne No.9 in B major Op.32-1(Chopin)
ノクターン 第9番
M8.Grandes etudes de Paganini S.141-3 in G Sharp Minor “La Campanella” (Liszt)
ラ・カンパネラ
M9.Hungarian Rhapsody No.2 in C sharp minor S.244-2 with Cadenza by Hayato Sumino (Liszt)
ハンガリー狂詩曲 第2番
<アンコール>
M10.Grand Father’s Clock(Work/Hayato Sumino)
大きな古時計
M11.Polonaise No.6 in A flat major Op.53 “Heroic”(Chopin)
英雄ポロネーズ
その前にリリースされたファーストアルバム「HAYATOSM」からの曲がほとんどです。演奏を聴いていて、うまく言えないのですが、クラッシックという古典に新しさが吹き込まれて、少し違うものになっている。そんな印象がありました。枠をはみ出ているというのか。すでにクラシックという古典の枠にはいっているものを、今の感覚で弾いてみる。そんな印象。
曲との間に、今の時代を生きているピアニストが、がっつり一枚かんでいる、という。
それは不思議な感覚でした。「こんな風に弾いてみたいんだ」という意思を感じたというのか。ーあくまでも素人の感想なのですが。
ショパンもリストも。バッハすらも、当時の時代は「新しい」ひとで毀誉褒貶あったといいます。聞きなれない新しいコード、演奏方法、メロディ、それに最初は拒否反応を示す人もいたでしょうし、熱狂したひともいるでしょう。サロンでは熱狂のあまり失神する貴族の女性もいたと聞きます。
その時代を生きていない私たちにはショパンもリストも偉人ー静かな楽譜や書籍の中の人物ですが、生でリストやショパンを聴くこと、見ることができた人たちはどんなだったんだろう・・・まるで、その場にいたひとたちと今、同じ幸せな経験をしているのではないか、そんなことを感じながら見ていました。
ハンガリー協奏曲では、トムとジェリーの映像が流れていました。クラッシックのコンサートでこんなことした人、今までいたでしょうか?!でも、ハンガリー協奏曲=トムとジェリー、となっている人は私を含めて今の時代、全世代にわたってとても多くいるのです。。。
会場を歩いていたら、あら不思議、キーボードがありました、というくすりと笑ってしまう演出もありました。クラッシックのコンサートで、キーボード。ーなかったと思います。でもYOUTUBEでは、それはいつもの光景でした。
いつものように、スマホやタブレットでコメントを見ながら、会場でパフォーマンスを見せてくれました。ーこんな風景も普通のクラッシックのコンサートではなかったと思います。
ただわくわくして、感動して、楽しかったコンサートでした。
このコンサートを実現するまでに「全力で頑張りました」とコメントがありました。きっと普通の人より何をするのでもそもそもが高いレベルでスピードも速くできる人だと思いますが、それでも「全力で」寝る間も惜しんでこのコンサートに向けて準備をしてきたのだと。私たちは当たり前のようにそれを受け取って聞き流してはいけないのだ、そんな神妙な気持ちにもなりました。
今同じ時代に生きていて、その生み出してくれる音楽を体験することができる。それはどれほど幸せなことか。そんな思いをいつも感じています。
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