八楽

京都の味(2)

京都の中華を味わう
2日目の夜は、中華を食べました。以前『京都の中華』(姜尚美著)を読んで、京風中華というジャンルがあることをしりました。京都の中華とはどんな料理なのか。
『京都の中華』によれば、
「よく言われるのは、お座敷に『におい』を持ち込むことを嫌う祇園などの花街で育った、にんにく控えめ、油控えめ、強い香辛料は使わないあっさり中華、という特徴」
とあります。
 食べたことのない京都の中華を食べようと、選んだのが「八楽」です。東山安井の信号からちょっと入ったところにあります。昼間は観光客でごった返す場所です。ちなみにこの店のそばに「ひさご」があります。親子丼が有名なそば屋で何回かいきましたが、いま英語メニューが店頭にある店になっています。英語のメニューがあるのが悪いとは思いませんが、ちょっと入りづらい店になってしまいました。
でも「八楽」はひっそりとやっています。カウンター12席だけの店です。3人までのグループが上限でしょう。二人で訪れるのが最適です(一人だといろんな料理が食べられない)。店はご主人、奥様、その息子さんの3人だけでやっています。落ち着いた雰囲気でくつろげます。

お品書きに値段がない
 この店の特徴は(いい悪いは別にして)お品書きに値段がありません。初めての方はちょっと戸惑うかもしれません。いったい勘定はいくらになるのだ、と思うかもしれません。私もちょっと驚きましたが、「まあ、せっかく京都に来たのだし」(?)とスルーして注文しました。
 どの料理も美味しいです。中華というより、和食のような風情を感じる皿です。お品書きにおすすめは印しが付けられていて、この店が初めてなのでおすすめを中心に注文。前菜含め料理3品と大きな唐揚げ2個(唐揚げは1個から注文できる)をいただきました。これにビールと紹興酒をかなり(多分3合ほど)、女房はソフトドリンク。これでお勘定は11,000円ほどです。料理と店の雰囲気からは高いと思いません。

 もちろん英語メニューもありません。祇園に近い場所柄か、妙齢の和服姿の女性とオジサマ二人が遅めの時間に来ていました。隠れ家的な店なのかもしれません。食べログでの評価は3.08、口コミも4つです。でもこのままの評価であってくれたほうが、いい。そんなことを思わせてくれる店です。
 インバウンドで、京都の飲食店も変わりつつあるようです。その中で、変わらず良質な味を供している店もあります。そんな店を見つけてみるのも楽しそうです。


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