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掲載レシピ決定までの紆余曲折|書籍化までの道のり②

2年前、自称「料理ができない男性」を集めて始まった料理教室で偶然生まれた「図解レシピ」ですが、この度、なんと飛鳥新社さんから7月に書籍化されることが決定しました!

noteでは、7月の発売まで書籍の制作現場をレポートしていこうと思います。前回は、図解レシピがどんな経緯で書籍化されたのかをご紹介しました。

コロナ禍ということもあり、打合せやメニュー決めなどはほとんどがオンラインでのやりとりでした。書籍化が決まって以降は、担当編集の内田さん加藤さんと、私たち料理男子プロジェクトとの制作意図をすり合わせながら、掲載メニューや本の構成などを決めていきます。時には意見をぶつけ合いながら、一つひとつ掲載するレシピ、メニューが決まっていく様子を今回はお知らせしていこうと思います。

【登場人物紹介】
・内田威さん・・飛鳥新社 副編集長
・加藤洋子さん・・フリーランスの編集者、図解レシピの書籍化編集を担当
・志村優衣さん・・noteディレクター、クリエイター支援プロジェクト担当
・小竹貴子・・料理男子プロジェクト発起人及びリーダー
・日下部純一・・料理男子プロジェクトメンバー、プロマネとTwitter担当
・藤田愛・・料理男子プロジェクトメンバー、図解レシピ開発担当、note担当

まずは、章立てからスタート

もともと、料理男子プロジェクトでは、簡単な料理から図解レシピで作り始めて、調理に慣れてきたら自然と難易度が上がっていくようなカリキュラムを考えていました。

STEP1 導入としての1品メニュー
STEP2 2品同時調理(初級)
STEP3 2品同時料理(中級)
番外編1 クリスマスの特別メニュー編
番外編2 モテる男になるワークショップ編

上のようにSTEP毎にレシピをまとめ、さらには調理の五法(生、煮る、蒸す、焼く、揚げる)を網羅しながらも、男性が好む定番メニュー、料理が楽しくなるメニュー、という基準でレシピを開発していました。その図解レシピ一式を、参考に内田さんにお渡ししました。

それを受けて内田さんと加藤さんが作られた企画構成案は、章立てはほぼこちらの提案を踏襲しながらも、さすがレシピ本を何冊も手掛ける編集者さんというテクニックで、私たちが提示していなかったレシピ以外の料理関連コラムの提案などを加えて、よりストーリー性のある構成が出来あがっていました。

確かに、たいていのレシピ本はメインコンテンツとなるレシピ以外にも食材や著者の食体験に関するコラムなどが適宜挿入され、実用書としてだけでなく、読み物としても読者を飽きさせない構成になっています。本づくり初体験のメンバーは、「料理本編集者さんはこういう重要な仕事をされるのか」と、勉強しっぱなしでした。


たかがコラム、されどコラム

書籍化に向けて、全体の構成を決めるところから作業が始まります。現場の編集を担当される加藤さんとともに、内田さんがまとめてくださった構成案をさらに練っていきます。

順調に制作が進むこともあれば、とうぜん料理男子プロジェクト側と編集側との方向性の違いも生まれることもあります。たとえばレシピ以外のコラムで「出汁の取り方を入れるか」という議論が行われたことがありました。

料理男子プロジェクトとしては、毎日の食事を無理なく作り続けられることを目的に、省ける手間は省いてもいい、というスタンスをとっています。しかし、編集側としては初心者向けのレシピ本なら基本的な知識は外せない、と「出汁の取り方は必要」という意見があったのです。

毎日の料理を無理なく続けるには「出汁」にとらわれると、ハードルが上がったり、苦手意識を植え付けてしまうのではないかと懸念がありましたし、実際、料理男子料理教室では顆粒出汁の素や出汁パックを賢く使う方法も紹介していました。

議論を重ねた結果、お互いに納得のできる落としどころが見つかり、次のステップに進むことが出来ました(どうなったのかは、発売をお楽しみに!)。

いよいよレシピ決め

料理男子プロジェクトでは、男性向け料理教室を開催するにあたり、すでに50レシピほどのプロトタイプをレシピ化していました。今回の書籍化にあたっても、もともとのコンセプトを崩さず、ストックしてあったレシピを中心に掲載レシピを提案しました。

例えばSTEP3では、「お店で食べることが一般的なお料理が、意外と簡単に家庭でも作れる」のような、出来上がった時の達成感や食べた時の満足感、食べた相手からの高評価が期待されるような、ちょっとお洒落感のあるレシピを心がけてピックアップしていました。しかし、そういったメニューはどうしてもハードルが高めに見えてしまったり、調味料などを買い足さなければならなかったりと、かなり見直しをすることになりました。

具体的には、揚げ物はどうしてもハードルが高いと思われているメニューであり、油の後片付けの問題などもあるので、から揚げ以外の揚げ物メニューは載せないことになりました。料理男子プロジェクトとしては、揚げ物は一見ハードルが高いが、揚げ方を一度覚えてしまえば実は手抜きメニューだとお伝えすることもあったため、載せたい気持ちもありましたが、別のレシピを入れた方がいいという意見にまとまりました。

また、ゴーヤなど苦手な人が多い食材を使ったレシピも外してはどうかという加藤さんの意見にも確かに、と納得。さらにはカルボナーラやオムライスなどの卵の火加減が難しいレシピも再現性が下がるので見送りにしてはどうだろう? という意見も出ました。

さらに編集側からの提案として、料理男子プロジェクトではこれまで図解レシピにあまり登場していなかった魚料理を増やして、食材のバラエティを増やすようなレシピや、ぶり大根や煮物などの家庭の味系のレシピがピックアップされ、お互いの方向性のずれをすり合わせたり、穴を埋める作業を丁寧に続けました。

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(レシピ案 実際の資料の一部)

結果、もともとこちらで用意していたプロトタイプはほとんど使わず、新しくレシピを作ったりメニューを組み替えたりすることになりましたが、出版のプロと料理のプロが互いに納得しあったこれ以上ないくらい読者のみなさんに喜んでもらえるラインナップになったと自負しています。

次回は、決まった目次の一部を特別に少しだけチラッとお見せしちゃいます! いろいろ検討してどんな目次になったか、どうぞお楽しみに!

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