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攻めた本、「油揚げ、豆腐、こんにゃく」と「おせちの本」

このところ料理本を買うことを控えていました。

COOKBOOK LAB.の公開作業をしているだけで追いまくられているのに、これ以上手持ちの料理本を増やしたらさばけない! という理由からだったのですが、我慢できずに買ってしまったこの2冊。

油揚げと豆腐とこんにゃくという、家庭の食卓では頻出食材だけれども、決して主役(主菜)にはならない3品だけで堂々と一冊にまとめられてしまった潔さに感動したのです。

そう思った人は多かったらしく、奥付を見ると、2019年10月1日発行から一月も経たない10月28日には第2刷が発行されています。ということは、発売後1週間以内に重版がかかったのでしょう。

すごいことです。油揚げ、豆腐、こんにゃくが!

発行は家の光協会から。
この出版社、最近とてもとても攻めたレシピ本を出しますので、いつも注目していますし、書店店頭で気になった本を手にとってみると、すごい確率で家の光協会の発行だったりします。

そして、もう1冊が季節柄、毎年気にはするけれども、買うまでには至らない年が大半のおせち本。

家庭をもって30年近く、私自身が作るおせちは家族が好きなものだけになっているため、新婚当初に購入したオレンジページのムック本を繰り返し使っていることから、他にはあと2冊しか持っていません。

が、表紙を見ただけでポチってしまったのは、正統派のおせちの表紙の美しさに惹かれたせい。塗りではなく、公長斎小菅の竹製の御重を使っているので、どちらかといえばカジュアルです。が、盛り込みの美しさが目を引きます。

掲載されているのは、昔ながらのおせち20品とごちそうになる現代風おせち15品、雑煮3種に手に入ったら作るからすみ、そしておせちを華やかにする飾り切り3種。もちろん盛り込み方も丁寧なプロセス写真つきで解説されています。

何よりもそこはプロの仕事。どのおせちも美しい。

そして、家庭料理の第一人者である有元さんの油揚げ、豆腐、こんにゃくはふっくらつやつやとしていておいしそう。
油揚げの切り方で調理が広がること、豆腐の水切りの度合いで食感を変えてさまざまに展開すること、こんにゃくの下ごしらえ、切り方をほどこして食感を楽しむなど、レシピ数は決して多くはありませんが、これらを知っておけばアレンジは無限大だし時短すらも可能になります。

どちらの料理本も、昔ながらの知恵と基本調味料でこんなにも豊かでしみじみおいしい食卓が用意できるんだよということを教えてくれます。
料理本という形にまとめられたことで、あらためて先人の知恵を見直す機会になりました。この2冊を作ってくれた編集者に感謝。



ありがとうございます。新しい本の購入に使わせていただきます。夢の本屋さんに向けてGO! GO!