見出し画像

シェア時代のレシピと料理本

私の本業は料理関係の雑誌や書籍、最近では自治体からいただくレシピ開発のディレクションや小冊子制作などが加わっていますが、いずれも紙ベースです。本好きだから編集者になったわけですし、自分が編集するしない関係なく、とにかく料理本が好き。
だからCOOKBOOK LAB.というWEBサイトも作りました。

ありがたいことに、料理本が好き、専門です、作るも読むも集めるもみんな好き!と大声でいい続けていたら、この1年間はたくさんのつながりをいただき、世界が驚くほど広がりました。

で、広がったんだったらさ、もっと広げちゃおうぜーと軽いノリで始めたのが、今年1月下旬からすごい勢いで日本で広まった音声SNS、Clubhouseです。【料理で稼ぐ】っていうルームを平日の毎朝8時からやってます。時々週末の特別編も挟むので、土日に90分でお届けすることもありますが、基本、平日朝の60分。

ほんとに軽いノリだったんです。社員編集者時代に『作業時間10分!米粉100%のパンとレシピ』という本を作らせていただいた私の著者さん、高橋ヒロさんと一緒にね、「ねえねえ知ってる?」みたいな感じでメッセンジャーでしゃべってたら間違ってルームオープンしちゃってね。そしたら人が集まってきちゃって、えー、じゃ、明日朝から毎日やる? とりあえず3か月ぐらい? なーんて始めちゃったんです。

そんな感じでしたが、たくさんの皆さんにご参加いただいて今朝(3/26)で38回目。
でも始めて2日目には、ゲストとかその日の話のテーマを決めてやるようにしてですね、料理関係のフィールドで活躍するさまざまな方にモデレーターになっていただいて、我々2人が「ぐいぐい質問仕切り」&「うんうん相槌」係みたいな役割分担が自然にできて、ゲストの皆さんにきもちよーく話していただくよう腐心しつつ、オーディエンスの皆さんの大切な時間をいただいているからこそ、何かしらを得て帰ってきただきたいという思いでやってます。

ゲストの皆さんも、うちのルームをすでに聴いていてくださってる方もいらっしゃるので、快く知見をシェアしてくださるんです。どう考えてるか、どうやってこうなったか、こうしたらNGだとわかったからこうしてみた! みたいな経験者だからこそわかるシェアをいただけて、まいどまいど、へーほーと頷くのに忙しいくらいに充実の60。

するとですね、わかってきたことがあるんです。

何が大切ってね、自己開示です、シェアする気持ちです、全部晒しちゃうよ役立ててね、ワハハーと笑い飛ばしちゃうくらいのあけっぴろげな姿勢。
それがすべからく成功を引き寄せているんだー、そうか!て。
ゲストさんたちの成功はその姿勢か、と。

そういう時はルームが一気に活気づきます。
全員がうんうん頷くのが目に見えるような空気感に満ち溢れます(アイコンしかないのになんでかわかるの)。みんな大好きな料理で楽しみたいし、誰かをシアワセにしたいし、誰かを助けたい。だからこの知見をあなたも役立てて! てなるんですね。

これね、ミリオンになるような料理本にもある空気感なんですよ。誌面から伝わってくるんです。どうぞどうぞ、ぜひ作って、ねおいしそうでしょ、ねえねえ元気ないの? それじゃ一緒につくろうよ、これ食べて、どう?

そんな著者と読者(私)の会話が本を通して成立するような料理本は、ぜったいに売れている。

だから昨年の夏にこの記事を読んだ時もね、めちゃくちゃウンウンしました。

ちょうどこの記事が上がった頃、Twitterでみかけたコメントに、「某インスタでレシピを聞いたら教えてくれなくて云々」というのがあって、ツイ主さんも「シェアの時代」的な返信をしてて、世の中の気分は大きく変わったんだということを実感しました。

そう、すでにシェアは当たり前、情報はインフラ。
知識も経験もシェアしてなんぼ。そこからさらに情報が追加されて発信主のキャラクターがプラスされて加速度的に拡散されて、新たな何かが生まれて。その流れの中に、シェアした本人がちゃんといて、決してないがしろにされることなく、シェアした以上の価値や情報やら時にはお金をもたらすように出来上がってます。

私のルームでも、初期の頃にはこんなことを言う人もいました。「そんなに公開してたら真似されちゃう、怖くないですか?」と。

それに対するこたえはもちろん、「えー、何がいけないの? どんどんやって、ひろめて、皆んなにこのレシピ使ってもらえたら嬉しい」「嫌な気持ちになるなら見ないし、勝手に転がっていくままにしておく」「むしろいい結果になることのほうが多い」といったポジティブな反応が大半でした。

先の記事は「レシピは積極的に晒して〜」でしたが、知見もシェアです。
そもそも料理本にレシピを載せたらすべてさらされちゃうわけだしねぇ。
もしかしたらクリエイションですらシェアの時代かもしれません。そこから生まれる何か、得られる何かに大きな価値を認めるものなのかもと。

来週もクラブハウス、やっていきますよ。
料理関係者の誰が来るか…ええ、私の趣味で料理本編集者にお越しいただくこともありまっせ。本を出すにはどうするか、みたいな話になる…かどうかはわかりませんが笑 よかったら聴きに来てくださいね。

クラブ【料理で稼ぐ】 
プロフィールアカウントからどうぞ! https://www.joinclubhouse.com/@cookbook_lab

ありがとうございます。新しい本の購入に使わせていただきます。夢の本屋さんに向けてGO! GO!