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今 自分にできること

森が燃えていました
森の生きものたちは
われ先にと逃げていきました

でもクリキンディという名の
ハチドリだけは
いったりきたり

くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます

動物たちがそれを見て
「そんなことをして
いったい何になるんだ」

といって笑います。

クリキンディは
こう答えました

「私は、私にできることをしているだけ」

※出典 辻信一監修「ハチドリのひとしずく」光文社刊

このお話は、南米のアンデス地方に暮らす先住民族に伝わる短い物語を
明治学院大学国際学部教授の辻信一氏が、アンデス地方に暮らす
お友だちから聞いたものを訳した書籍です。


自分だけに出来ることは小さなことでも
皆がハチドリのクリキンディになったとしたら・・・


水繋がりは水繋がりなのですが、話は少しだけここからズレます。

数十年前、今は亡くなってしまった方から言われた一言は、
ワタシの今自分ができることを実行に移すための源になっています。


ある年の春祭りのとき、お祝い事のある家にお神輿がやってくるというのがその土地の伝統で、ワタシが住んでいた家にもその年はお祝い事が重なっていたので、自宅庭にお神輿さんと それを担ぐたくさんの人々がやってきました。

そこでお神輿さんを担いできてくださった皆さんに祝い酒を振る舞うのですが、お酒を飲めない人もなかにはいるわけです。
それにお神輿さんを担ぎながら長距離を歩くため、お酒は飲めても
水分補給をしたい人もいるんですよね。

でも、庭にはたくさんのお酒しか用意していなかった。

それで、私はお酒を皆さんに振舞ったあと、ぼそりと呟いていました
(大きな独り言です 笑)
「お水欲しい人とかもいるんじゃないかな・・・」と。

すると私の横にいた年長の家人は、
「そう思うのならそれを直ぐ行動に移しなさい」と促してくれたのです。

その時の私の心中は、ここの土地の伝統もあるし、まだ自分はこの土地にきたばかりの新参者だし、、、などなどの気持ちがあったので、出しゃばらずにおこう的な思いがあったわけですが、横にいた年長の家人のその一言に背中を押されました。

私は慌てて室内のキッチンにいき、お水をたくさんのコップに注ぎ
お盆に乗せて庭までもっていき、大きな声で
「こちらにお水もご用意しています。宜しければどうぞ~!」と
担ぎ手の皆さんに呼びかけました。
数名の方が「おおー有難い!」とお盆から水の入ったコップを手にして
水分補給をされていたので、行動して良かったぁ!と思えた小さな出来事になりました。

しかし、そのささやかな出来事からワタシは、
この方が良いのでは?とかこうした方が良いかも?と迷ったりすることでも、とりあえずは思っているだけでなく今行動に移してみよう!と、行動に移せるようになったのです。

その際にいつも心の中で思い出すのが、先ほどの想い出のワンシーンなのです。

今は亡くなった年長元家人との一番強く残っている想い出より


自分の目の前で起きている物事や出来事に
「こうしたらいいのに」 そう少しでも思ったときは、
「今自分に出来ることは何だろう?」に想いを繋げ、
それがたとえどんなに小さなことであっても行動に移していく。

そうやって生きていこうと、あの春祭りをきっかけに思って生きております。
(時には思っているようにできないときも全くできないときもあるけどねw
 それはそれでその時の精一杯だったと思ってます 笑)






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