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命の閉じ方を見つめることで、今をしっかり生きていく

佐々涼子さんの「エンド・オブ・ライフ」

日経新聞のコラムにニュージーランドの仲間のことが紹介されていた。
まぁ、この人本当に不思議な人で、いい人が集まってくるんだよね。
そのコラムを書かれていたのが佐々さん。
著書について聞いてみると「エンド・オブ・ライフ」というタイトルが飛び込んでくる。
あっ、私のライフワークじゃないか、これ?

「エンド・オブ・ライフ」は在宅医療に関わっていた看護師さんの最期に寄り添いながら、色んな方々のエピソードを。そして、ご自身のお母さまとの関わりを書かれています。
一人一人の最期の活動を感じ取りながら、後悔しない最後の選択を必死に残そうとされている姿が目に浮かびます。

「命の閉じ方」のレッスン



この書に『「命の閉じ方」のレッスン』と書かれていることに、少し不思議な感覚だな、と感じました。
でも、最近の人は命が閉じられる瞬間を体験することは少ないのですね。
そして、いざその場になった時に何をそうしたらいいのかわからなくなる。
それに気付いた時に、この本はとても大事な瞬間を伝えていると感じました。

命の閉じ方というのは綺麗ごとではありません。
生きることへの執着と失いたくないという想い、そして、出来ていないことへの後悔が複雑に絡みます。
道半ばに、家族を残して世を去る人たちの複雑な人間模様を感じながら、自分が余命1年と言われた時にどうするのか?と考え込んでしまいました。

残される家族の悩み

私の場合は私が25歳の時に父が腎臓がんで他界。
それまで毎日看病をしていた母の代わりに週末の夜病院に泊まり込んでいました。
癌というのは何なのか、人の最期は何を望んでいるのかをその時から考えさせられていました。
今年、レビー小体認知症で入院していた義父が、長期間家族と会えずに誤嚥性肺炎で息を引き取りました。

その間に、介護家族をサポートする会として、多職種連携の勉強会を開催していました。
在宅専門の医師、看護師、薬剤師、介護士。そして、弁護士、税理士、社労士、栄養士など色んな人が支えてくれました。
介護は身体的なケアだけでなく、お金や法律、メンタル、食事などあらゆる悩みをまとめて、介護の問題なんですよね。
これは私の経験と、その後の色んな方々との対話の中で感じてきたことです。
本当はキャリアカウンセリングや不動産、金融の人も入ると良かったのですが。
そんな悩みを取り除くことが出来ると、家族が家族について向き合える時間が出来ると思っていたのですよね。
それを移住地であるニュージーランドでもと試みましたが、まだ機が熟していませんでした。もう5年ぐらいは必要です。

Quality of Death

Quality of Lifeのことが著書には色々と書かれていました。
海外にいくとQuality of Deathの話もよく聞きます。
自分がどう最期を迎えたいのか?
誰とどこで迎えたいのか?を考えると、色んなことを手放す必要が出てきます。それがQuality of Lifeに繋がっていくのですよね。
そんな機会を与えてくれた素敵な一冊です。



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