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僕たちはButterだから黄色いんだよ。Butter、レッツゴー!

「僕たちはなんでこんなに黄色いのか? Butterだから黄色いんだよ。僕たちは黄色人種じゃないですか。Butter、レッツゴー!」

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そういうことかー! やたら黄色黄色した歌を作ったのは。

アジアンヘイトがはびこる欧米に、黄色い旋風を。非暴力で、楽しく、魅力的に。

モノクロで始まって、
カラフルに展開し、
そして最後は黄色いスーツで締められるミュージックビデオ。

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(アップ後、22時間30分で1億ビューに達しました。「Dynamite」で保持していたワールドレコードを自分たちで更新。おかげさまです)

正確に言うと、終盤の衣装は二種類で、

・「黄色」と「黒」のスーツと、
・衣装は白と黒で、フリルやパール、スカート風など、一般的にフェミニンと思われているアイテムをたくさん使用したもので、背景の黄色が印象的で、

つまり、イエローとブラックそして女性性という
この世界で弱い者たちを象徴するカラーとアイテムを際立たせて
それらが最後は「白」とも融合するんだよね。

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あらためて歌詞を見直してみて、また納得。

「僕のかっこよさは母さんゆずり」
(※自分たちのルーツ・アイデンティティへの誇り)

「Break it down」
(※レッツゴー!みたいなのと、「甘く見るなよ・ナメんなよ」のダブルミーニング)

「僕のビートで左へ右へステップ」
(※右派左派のイデオロギーを超えて)

「俺は高価なブレスレットなんてつけない、飾り気なしのいい男」
(※ヒップホップのマッチョな文化への抵抗)

「ヘイトしろ(したきゃしろ)、かかってこいよ」

「俺らのうしろにはARMYたちがいるんだぜ」
(※Army=人種や年齢を超えて全世界にまたがるBTSのファンたち)
はー。

「大げさなメッセージではなく、バターのようになめらかに溶け込んで君をとりこにする、かわいらしい告白ソングのように受け止めていただけたら😊」

公式記者会見ではそんなこと言ってニコニコしてたけど、ファン向けのVライブ(インスタライブみたいなものね)でさらっと奥の意味を。
たまらんな。

メッセージをダイレクトに言わなかったのは、今の時世を考えてのことだと思う。アメリカでは、日本と違ってダイレクトなメッセージソング・メッセージ映画でも、賞レースに支障は出ない。
そして彼ら自身、これまでダイレクトなメッセージソングもたくさん出している。

今そうしないのは、声高なメッセージは反発やバックラッシュを誘発するから。今、欧米に住むアジア人は本当に怖い思いをしていて、実際に傷つけられている人たちも大勢いるからってのもあるんじゃないかな。

※(追記)
もちろん、「大げさなメッセージではなく、サマーソングとして楽しんでほしい」というのも彼らのほんとの気持ちだと思う。

ただ、同時に、いつも「みなさんの100のつらさが僕たちの曲で99,98にでもなればうれしい」とも言っている彼らなので、どんな曲でもいろんな解釈で癒されたり励まされたりする人がいることを想定して届けていると思うし、この曲がたくさん流れ愛されることを通じて、まさにバターのようにスムースに、イエローが社会に溶け込んでいくことを願っているんじゃないかな‥‥と想像しています。一人のARMYとしての個人的想像です^^

そして、バターのようにスムースに、大勢の目や耳、心に溶け込むために、彼らがいつもたくさんの努力をしてくれていることを私たちは知っていますね。

ちょうど今日、友だちと「自分が魅力を感じる人」「こうなりたい」人間像の話題になって、私は
「強くて優しい人」
だと話してたところ。

チャンドラーの小説「長いお別れ」でフィリップ・マ-ロウが言う
「強くなければ生きていけない。
 優しくなければ生きている資格がない」

が、私の座右の銘かも。
(と言いつつ、この小説読んだことない私だがw)

BTSのリーダー、RMを見てると、
ほんと「強くて優しい」を体現してる人だと思う。
ちなみに満26歳です。人間、年齢じゃないね!

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「あなたが誰なのか どこから来たのか
 肌の色やジェンダー意識は関係ありません
 ただ あなたのことを話してください」

2018年9月 国連でのスピーチにて

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