庭のあった家
今日は朝から調子が良くなかったのかもしれない。
夢を見た。昔住んでいた家の夢だった。
東海地方から東京へ出てきた我が家の崩壊の一途を見守った家の夢だ。
小学生から高校生まで10年ほど、ごく普通のマンションの一階に住んでいた。
少し変わっていたのは一階ににだけ庭がついてることだった。
庭といっても隣のマンションの日陰になっていて日当たりは悪く、地面には防犯のための玉砂利が敷き詰められていた。なぜか一本だけ大きな広葉樹が植えられていて飼っていた金魚が亡くなるとその根元に埋葬していた。昼でも薄暗くてじめじめしてあまり爽やかではない庭だった。
弟はこの庭でよくサッカーボールを蹴って遊んでいた。蹴ると言ってもドリブルは砂利に足を取られてできないから壁打ちならぬ壁蹴りくらいのものである。
その庭が夢に出てきた。もう越して10年になる。よく覚えているなと思った。
部屋から庭に出ると知らない小学生たちがサッカーをしていて余りにもどうどうとした不法侵入に激昂する夢だった。
不法侵入だ!と追い出そうとしたものの反発されて最終的に小学生の保護者の1人のギャルママと殴りあうことになった。
なんとなく良くない心持ちで目が覚めて、1日調子が上がらなかった。仕事でミスがドミノ倒しとなったこともあるけれども。
あの庭は今どうなっているんだろう。誰が住んでいるのだろうか。最近久しぶりに再開した中学時代の同級生はマンションも年季が入ってきたと言っていた。
庭付きの家には以来住んでいない。
日当たりが悪くて花がよく変色したあの庭も思い出せば愛おしかったような気もする。
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