死後の世界

皆様こんにちは。oiです。
今回は死後の世界について考えてみます。結構前のことになりますが、テレビで「死にかけたとき、幽体離脱して自分が心配されている姿を見た。だから死後の世界は実在する。」というような内容のことを目にした記憶があります。ですが、私はそう思いません。

前提条件を確認しましょう。死にかけているという表現では、実際には死んでいません。つまり、心臓または脳が危機的な状態であると考えられます。まず心臓が停止している場合で話を進めます。心停止とは、心室細動・心室頻拍・無脈性電気活動・心静止が当てはまります。この中で最も重篤な心静止は電気活動が6回/分以下の状態を指します。よって、電気活動がある状態でも心静止に分類され、これは脳への血流が全くないとは言い切れません。(言い切れませんが、めちゃくちゃ少量です)

脳血流がこのような状況では脳は殆ど機能していないといえます。ですが奇跡的に脳機能が一部でも温存されていると妄想などの機能が残存している可能性を完全に否定できないと言うことになります。(脳細胞の栄養源は血中にあるグルコースなので、血流が途絶えると、その後脳機能は停止します。)
ですので、このような心肺停止状態であっても、一部(ごく少数)の患者様は脳血流があると考えることができるので、このような方が奇跡的に生還し脳で創り出された幻想を、あたかも自分の経験かのように錯覚してしまうのだと考えられます。

その他の要因も考えられます。覚醒や認知の機能が失われて反応はないが、脳の一部の機能(聴覚など)が残存している場合、脳が周囲の状況を無意識に取り込み、記憶することも不可能とは言い切れません。この場合に、先程の機序をともに考慮すると、幽体離脱したときの状況(本人がそう錯覚している)が実際の状況と重複することも否定できません。
ですが、私はメディアの陰謀により少し誇張された表現ではないかと思います。実際に起こる場合、現実と錯覚が完全一致するのではなく部分一致するならまだ可能性があると考えます。それを視聴率のために誇張した表現をするのはメディアの常套手段でしょう。

一方で、脳死の場合このようなことは起こりません。脳の働きが停止していたら、妄想・せん妄・錯覚などのような働きが起こらないからです。

これらを根拠に私は「死にかけたとき、幽体離脱して自分が心配されている姿を見た。だから死後の世界は実在する。」は否定できると思います。正確には、幽体離脱して心配されている経験は錯覚により起こるが、それは死後の世界が実在する根拠にはならないというのが私の考えです。


脳に関してはまだまだ考察の余地は残っていますが、長くなりすぎて収拾がつかなくなりそうなのでここらで終わりにしておきます。

最後まで読んでいただき有難うございました。
それでは今日も良い一日を!

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