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航空法施行規則は、せこう?しこう?の話。

前回、色々なリプライがあった航空法第75条の件ですが、大変こちらも勉強になる話が聞けて良かったです。改めてTwitterを始め、SNSで多数の有識者にアクセスさせてもらえる時代に生きてることが嬉しいなと思いました。

そこで登場した木村くん(仮)が、最近お仕置き箱を終え、また半年飛べることになったのですが、先日その振り返りもかねて、同期でオンライン勉強会をやっていました。

「で、どんなこと指摘された?」と聞いたところ、

航空法に則ってブリーフィングしてと言われたから

(出発前の確認)
第百六十四条の十五 法第七十三条の二の規定により機長が確認しなければならない事項は、次に掲げるものとする。
一 当該航空機及びこれに装備すべきものの整備状況
二 離陸重量、着陸重量、重心位置及び重量分布
三 法第九十九条第一項の規定により国土交通大臣が提供する情報(以下「航空情報」という。)
四 当該航行に必要な気象情報
五 燃料及び滑油の搭載量及びその品質
六 積載物の安全性
2 機長は、前項第一号に掲げる事項を確認する場合において、航空日誌その他の整備に関する記録の点検、航空機の外部点検及び発動機の地上試運転その他航空機の作動点検を行わなければならない。

というよくあるやつを言ったら、

「せこう規則?しこう規則でしょ。」と言われたとのこと。指摘事項はそれくらい。だったそう。

流石木村くん、それくらいしか審査官も言うことがないなんて。

と思いつつ、自分も訓練生時代からずーっと「せこう」規則って言ってたなと。とりあえずググります。辞書のサイトは色々ありますが、公共放送の観点を知りたく、NHKを調べてみました。

NHKの見解

1999.04.01
4月1日・新年度から幾つかの法律が新たに施行されましたが、この「施行」の読みは[シコー][セコー]どちらでしょうか。

 放送では、[シコー]と読んでいます。
解説
この場合の「施行」は「法令の効力を発生させること」の意味です。一般の辞書は主見出し語には[シコー]の読みをとっていますが、[セコー]とも読むと書いてあります。法律関係者の間では、「強制執行」や「刑を執行する」などの「執行」[シッコー]と区別するため[セコー]と読む慣用があるようです。しかしNHKでは、工事の「施工」と区別するため[シコー]と読んでいます。「施工」にも[セコー]と[シコー]の両方の読みがありますが、放送では [セコー]と読んでいます。
なお、仏教用語で「功徳のために僧などに物を施す」意味の「施行」は、[セキ゚ョー]と読みます。また農業用語の「通年施行」(1年の間、耕作を休んで土地改良事業を行うこと)は、[ツーネンセコー]と読みます。
(NHKことばのハンドブックP78ほか参照)

とのこと。どちらとも読めるけど、法律の効力を発生させるときにはやはり「しこう規則」と読んだ方が合ってそうです。

昔何かの本で、現代用語は常に変わっていくので「マジ」なんかも江戸時代から実はあった言葉だったりと、何を正しい言葉で何が現代の若者言葉か、なんて判断する人の育った環境の影響が大きそうですが、今後は僕も一応ブリーフィングする際には

「航空法第七十三条の二、及び『しこう』規則第百六十四の十五に基づき機長の出発前確認を行います、」

という言い方に変えようと思いました。

ということで僕のお仕置き箱は来月なので今から準備頑張ります。

このご時世ですので、皆様もどうぞご自愛下さい。

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