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ただ純粋なラブソング、そう思っていました。

2020/9/18 歌記録no.7「夏の終わり」森山直太朗

今日は、風が心地よい1日でした。
だんだんと、「秋」が近づいている気がします。
ちなみに、一年の中で私が一番好きな季節なんです。

過ごしやすいし、紅葉は綺麗だし、ご飯は美味しいし、
秋服は可愛いし、良いことづくしな気がします。笑

そんな今日だったので、これから「夏の終わり」をまとめたいと思います。

この曲を聴くと、
あれほど鬱陶しいと思っていた夏がもういなくなるのか、
と毎年不思議と寂しくなります。

甲子園が終わる、海に人がいなくなる、日が暮れるのが早くなる、
少しだけ肌寒く感じる、長袖を着る人が増える、
夏がいなくなって、秋が来る、
そんな2つの季節が隣同士にいる、今の時期に聴きたくなるんです。


実は、反戦歌だった。

この曲は、2003年に発売された3枚目のシングル曲です。

切なくて、儚い、そんなラブソングだと長年思っていましたが、
実は、反戦歌だそう。
森山直太朗本人も、そう告白しています。
「本当はこのような曲が生まれない世の中が一番いい。
だけど生まれてしまったこの曲を、責任もって歌い継いでいく。」と
コメントを残しています。

反戦歌とは、戦争に反感を抱く歌ということ。

流れゆく時に 笹舟を浮かべ
焼け落ちた夏の恋唄 忘れじの日とは泡沫 空は夕暮れ

そのことを知って改めて歌詞を見てみると、
「焼け落ちた」というフレーズが戦争を連想させます。

追憶は人の心の 傷口に深く染み入り
霧立つ野辺りに 夏草は茂り
あれからどれだけの時が 徒に過ぎただろうか せせらぎのように

痛ましい記憶は、私たちの心に深く染み入る。
でも、そんな記憶も霞立つように靄がかかって、
そしてそこには草木が生える。新たな記憶が上書きされていく。

「あれから」という言葉には、戦争というフレーズが当てはまって。
”戦争から、どれだけの時が過ぎただろうか”
せせらぎのように、少しずつ、少しずつ薄れていくことを願っている、
そんな風に聞こえてきます。

夏の祈り 夏の祈りは 妙なる蛍火の調べ
風が揺らした 風鈴の響き

きっと、夏の祈り=終戦記念日で手を合わせる人、だと思います。
蛍火とはホタルの光ですが、
戦争で亡くなった方々の魂がその光に乗って、
また風に乗って、風鈴を響かせる。
そんな意味が込められているのかな、と思いました。

楽曲のタイトルにもなっているように、
「夏の終わり」とは、「戦争の終わり」でもある。
そのことを私たちは忘れてはいけないし、
また、そんな悲惨な世界に戻ってはいけない。

この曲が、どこか切なく聴こえるのは、
きっとそういう直太朗さんの想いがグッと込められているからなんですね。


歌詞。

水芭蕉揺れる畦道 肩並べ夢を紡いだ
流れゆく時に 笹舟を浮かべ
焼け落ちた夏の恋唄 忘れじの日とは泡沫
空は夕暮れ

途方に暮れたまま 降り止まぬ雨の中
貴方を待っていた 人影のない駅で

夏の終わり 夏の終わりには ただ貴方に会いたくなるの
いつかと同じ風吹き抜けるから

追憶は人の心の 傷口に深く染み入り
霧立つ野辺りに 夏草は茂り
あれからどれだけの時が 徒に過ぎただろうか
せせらぎのように

誰かが言いかけた 言葉寄せ集めても
誰もが忘れゆく 夏の日は帰らない

夏の祈り 夏の祈りは 妙なる蛍火の調べ
風が揺らした 風鈴の響き

夏の終わり 夏の終わりには ただ貴方に会いたくなるの
いつかと同じ風吹き抜けるから

夏の終わり 夏の終わりには ただ貴方に会いたくなるの
いつかと同じ風吹き抜けるから


反戦歌だということを知った上で聞くと、
さらに切なさが増す気がしますし、悲しくなります。
大切な人を失って、やるせない想いを歌った曲なんでしょうが、
不思議とどこかに、温かさと柔らかさがある気がします。

私たちの中で「夏の終わりに聴きたい曲」があるとすれば、
きっと今も、そしてこれからもずっと、
この曲が、一番最初に頭に浮かぶ方が多いと思います。


だんだんと、秋の足音が聞こえてくる季節。

小さくなる夏の音に耳を傾けて、秋を迎え入れたいと思います。


おりょう☺︎

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