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オタモイ遊園地(龍宮閣)跡

つい先日小樽に行ったばかりだが、今日は旧友と会って全くの気紛れから再び小樽に行った。男2人に女1人の小学校から続く三人組である。本記事の写真には彼らが撮ったものも含む。

「どこ行く?」「海とか?」「取り敢えずJRの小樽方面行って適当なとこで降りるか」

「これ終着小樽じゃん」「1回降りて適当に歩くべ」「何か買って食うか」

「ボートとか乗って青の洞窟見に行かね?」「時間的に(夕方)無理っぽいな」「なんか心霊スポットとかあったっけ」「あーオタモイありだな」「えっどこ? 遠くね? レンタカー?」「誰が運転するんですかね……」「タクシーがベストじゃない?」

全くのノープランで、札幌から小樽、小樽からオタモイへ。タクシーは15分程であった。


オタモイ遊園地跡。アイヌ語で「砂の入江」を意味するこの土地にあるのは、1936年から海岸沿いの絶壁に存在した高級料亭「龍宮閣」を中心とする一大レジャー施設の跡地である。海水浴地でもあったが、1952年全焼。近辺は船でなければ行けない「青の洞窟」、修験道の霊地たる赤岩胎内巡り等がある。度々発生する蜃気楼を以て龍宮と称し、僅か16年で幻となった地上の龍宮城、その跡地である。

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かつては遊歩道として歩けたのだが(かくいう私も幼少期歩いた記憶がある)、2006〜2014年、大規模な崩落や崖崩れが起こり立ち入り禁止となる。つい最近ニトリがここを買い取る事になり、ある程度崩落跡は直されたようだった。

赤岩胎内巡りについては、私はつい先日行ったばかりである。以下の記事を読まれたい。


着いたはいいが立ち入り禁止、さてどうしようかと思っていたら、地元の人間らしき爺さんが当時のパンフレットや絵葉書等をファイルに入れてガイドじみた事をしていたので、その相手であった夫婦に続き、これは好機と同行させていただいた。

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奥の方に小さく中華風の門があるのが見えるだろうか? 崖沿いの道を歩いてそこに向かってゆくのだ。その奥にも道は続いている。

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何度かこういうトンネルを通る。

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そうして進んでゆくと、まさしく龍宮閣があった場所に出る。海に向かって突き出した細長い空間である。いやよくここに建てたな。

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向かって右側の海岸。ゴールデンカムイの5巻だか6巻だかにここと同じ場所のコマがあるらしく、同漫画に数ある聖地の1つ。

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左側の海岸。これもオーシャンブルーというやつか。家がある所まで歩いてゆける。……この写真めっちゃ綺麗だな。

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後ろ側には白蛇弁天洞がある。先の赤岩胎内巡りも白龍の伝説があったのを思い出す。

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内部の写真。細長く垂れたような白い岩の跡が白蛇の象徴になるらしい。

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再び進むと、またトンネルがある。写っているのは一緒に行った友人。

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これは私。

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ろくな柵も無い代わりに(?)穴が空いている足場。ああ、今回私はいつも通り下駄に作務衣で行った。激しい登山でもなし、この場所程度ならこれで充分である。

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振り返ると地蔵があった。

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そして最後のトンネルがある。ここは壁が崩れ、かなり屈んで進まねばならない。

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そうすると、ようやく開けた場所に来る。まずは紫陽花が飾る神社(振り返って撮ったので、祠があるのは山側)。

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開けている。家、祠、御堂などがある。

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古びた手水舎。

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地蔵堂。

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お堂の中、奥にチラッと見えるであろうか。オタモイ地蔵尊だ。様々な伝説がある。

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他にも小さな石仏が並ぶお堂、龍神のお堂等もある。その側にあった古びた家は今でも人が住んでおり、失礼ながらまことに驚いた。

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細く続く道は通ってきた道である。しかし、ふーむ、あんな所になあ……。

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―――彼女は被写体として最高だな。

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こんなところである。少し前であれば崩落したままで通れなかったろうし、今後であればニトリの工事が始まってまた入れなくなるやもしれぬ、実に丁度いいタイミングで訪れる事ができたと思う。ガイドがいたのも幸いで、近辺の伝説や当時の情報など教えてもらえたのは大変ありがたかった。


帰りに撮った写真も何枚か貼っておく。

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赤岩胎内巡りの岩のてっぺんのお不動さんとこまで登ったんですよ、と話すと案内の爺さんは「えっ上まで? は〜それは大したもんだ……」と評してくれた。このオタモイ遊園地跡は下駄で気軽に行ける程度のもので、体力にしても危険度にしても赤岩には到底到底及びようもない。爺さんには3人での写真も何枚か撮ってもらったが、そちらについては3人ばかりの思い出とさせていただこう。

良い旅だった。

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然らば。






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