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ENR Future Techに日本の建設テックとしてはじめて参加します

こんにちは。株式会社フォトラクション代表の中島です。

今回、私たちはENR Future TechにGold Sponsorとして参加することを発表しました。

この参加は日本の建設テック企業として初めてのことであり、その背景を含めて、皆様にお伝えしたいと思いブログを書きました。

ENR Future Techとは

一言で表すなら「建設テックにおいてグローバルで最も著名で影響力のあるカンファレンスのひとつ」です。

主催しているENRは建設メディアであり、世界中で最も権威が高いひとつと言われています。毎年発表されるENR Rankingは、建設業の世界ランキングを公開をしており、業界外に対しても大きな発信力を持っています(検索すると出てくる、ゼネコン世界ランキングなどはこれが元のことが多いです)

ENR Future Techでは、建設業や建設テック企業のCxOクラスが集い、3日間に渡ってテクノロジーの活用や課題について議論します。また、ネットワーキングや講演、出展などを通じて多くの方々が世界中から集まります。

フォトラクションはGold Sponsorとして参加し、他にもProcoreやダッソーテクノロジー、Openspaceなどの大手からスタートアップまで幅広く参加しています。

Silver Sponsorも含めると合計37社

建設テックの分野において、まさに最もアクティブな企業が集まっているとも言えるでしょう。

参加する理由

大きく2つあります。(もちろん参加しただけで実現できる話ではありませんが)

1つ目は「Photoructionをグローバルのレベルまで引き上げるため」です。

Photoructionは提供して5年が経過し、累計で20万のプロジェクトで活用され、99%の生産性向上を実現するなど、着実に皆様に受け入れられるプロダクトになってきています。

一方で、建設テックに限らず、グローバル展開しているSaaSと比較すると、プロダクト面ではまだまだ改善の余地があると感じています。

機能はもちろんのこと、特にUIやプラットフォーム化に向けたデザインについては、さらに高めていかないと、そのうちバーティカルの領域もグローバルに取って代わられてしまう危機感を感じています。

ENR Future Techには、建設テックのトップサービスが集まっているため、参加して彼らと同じコミュニティに入り、プロダクトを進化させるヒントを得たいと思っています。

国内であればカオスマップの作成を通じて、色々と調査できていますが、グローバルだと知らないところが多いため、参加することが重要だと考えています。

今回のENR Future Tech、37社のスポンサーから個人的に気になったサービスをピッアップして紹介します。

Smartapp

設計と施工で使うスマートアプリを提供。Smart Pinという360写真など様々な情報を図面に付加できるのが印象的。

Bridgit

工程などの計画をするアプリを提供。日本でいう工程表ツール(?)

Openspace

累計100億ドル以上を調達している注目スタートアップ。360映像のプラットフォームを提供。当社と同じGold Sponsorで参加

TORIC

データ分析プラットフォーム。RevitやProcoreなど様々なサービスのデータを連結できる。

AkitaBox

施設管理(FM)特化のアプリケーション。現場記録を楽にしたり、分析したりする機能を有する

Briq

こちらもTORICと同じく建設業特化のデータ分析プラットフォーム。

CamDo

建設現場向けのカメラとソフトウェアを提供。

extracker

建設バリューチェーンにおけるコラボレーションツール。

Genda

現場リソースのトラッキングツール。誰がどこにいるか、何がどこにあるかのマネジメント

PLOT

現場全体の動線計画を簡単にするアプリ。

グローバル展開に向けて

ふたつ目の目的は、「グローバル展開に向けた足掛かりをつかむこと」です。

そもそもPhotoructionはまだ本格的なグローバル展開の時期ではありません。特に、BPaaS(ビジネスプロセスアウトソーシング)をベースにした建設BPOの提供に力を入れていると言うこともあり、まずは国内での成果をしっかり上げていきたいと考えています。

それでも、建設業界での利用は海外でも増えており、日系建設会社を中心に海外の工事で利用されたり、外国籍の方が使用したりしています。

Photoructionは2019年に5つの言語に対応したため、問題なく導入することができます。

しかしながら、建設業界はローカル性が非常に高いため、単に言語対応しただけでは大きくスケールすることはできません。文化や商慣習の違いにもしっかりと合わせていく必要があります。

また、仮にフィットするプロダクトを作成できたとしても、グローバルで展開する企業との開発競争になることも予想されます。ソフトウェアだけ競争優位性を築くことが難しくなってきているため、より深い取り組みが必要と考えています。

そのため、私たちはBPOも含めた建設業向けBPaaSの仕組みを、グローバルに展開できないかと思っています。

日本の建設業は品質管理やデザイン面、どちらも世界トップクラスです。特に品質管理は海外の建設業から見ると、オーバースペック気味に映るようです。

私たちが日々安心して建物を使えるのは、このオーバースペック気味に見える品質管理があるからです。だからこそ、この品質管理の仕組みをテクノロジーにのせて、効率よく実施することができるのであれば、海外においても競争優位性を築くことができますし、何よりも日本の技術を世界に輸出することができるのではないでしょうか。

そう考えると建設テックは日本のテクノロジー分野において、グローバルで展開できる数少ない分野とも言えるでしょう。

少し長くなりましたが、そのためには海外の建設業が何を考えどのような課題をあるのか、肌感覚を持って掴む必要あると考えています。ENR Future Techにはたくさんの建設会社が集まるため、ここの部分もぜひ色々と調査してこようと思います。

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