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経営幹部が考えなくてはいけないこと

半年に1度の感覚で連絡が来る保険屋がいる。
この保険屋は6年くらい前に後輩の結婚式で知り合った。
喫煙所で意気投合、そこから毎月でもなく、2ヶ月に1度の頻度でもなく、半年に1度くらいの感覚で定期的に飲んでいる。
半年というのも決めているわけではないし、私から誘ったことはよくよく考えると1度もない。

なぜかターニングポイントとなる時に連絡が入ることが多い。

退職、そして独立を考えていた2週間前に飲んでいたのもこの保険屋、今の道の後押しをしてくれた。
2年前には社会福祉法人の理事長を紹介していただき、その半年後、契約をいただいた。
人を増やさないといけないな、と思っていた1年半前には「うちの妻は家で暇してるんで」といい、業務委託で今も奥さんが働いてくれている。

そんな彼からのお誘いが1ヶ月ほど前にLINEに入る。
「社会福祉法人の理事長の息子を紹介したい、次期理事長で自分たちと同年代」
1ヶ月後の夜の予定はだいたい埋っているが提示された日はたまたま空いていた。
その絶妙な日程にホールインワンして来るのだ彼は。

お店に入ると体格の良い2人の男性が。
「しみずさんこっち」
保険屋が声をかけてくれる。
「あれ?大きくなった?」
彼は仕事柄連日飲み会朝までコースのことが多く、一番スリムな時代から30キロ太ったと豪語しているが、最近はジム通いを初めてさらに5キロ増えたという事、力士からプロレスラーのような体格になっていた。

もう一人体格がいい男性がいる。
保険屋の高校の同級生、大学では関東の名門大学のラクビー部、
「やってそう」
思わず名刺交換で言葉が漏れる。

彼は父が設立した社会福祉法人の現在は本部長、数百床の特養を経営している法人に10年前に入り、辣腕を振るっている。
「最初、法人に入った時は何だこの会社、と思いましたね。なんだ、理事長の息子のボンボンが帰って来た、みたいな目がビュンビュンに飛んでくる。政治秘書をやっていた男性が事務長で取り仕切っており、結構くちゃくちゃ。改革しようとするとその方の派閥の人たちがすぐに反発。結局その秘書中心に乗っ取り騒動にもなり、何とか乗っ取りは回避できたものの、秘書が辞め、議員を使って監査が入りまくる始末。収束まで5年はかかったね」

チラホラ聞く話だな。

「本当に今までのやり方を変えたくない人が多い。しかも幹部が特に。今まではこうだったという話ばかり。これからこう変えていこうと話をすると、それだと今までの入居者さんの力になれていない、とか現場スタッフが負担だとかそんな話ばかりする。経営側が経営を考えずに自分の都合がいいように職員を扇動し居場所を作っている。入居者を見る人、そのスタッフを束ねる人、そして箱全体をビジネスモデルを考える人、自分がどのレイヤーで物事を考えなきゃいけないのか分かっていないので議論がぶれる。入居者様のため、当たり前だろ。職員の負担を軽減、当たり前だろ。経営幹部がそのレイヤーを脱却できないと泥船になる。これをこの業界に入ってきたときに経営幹部が現場と一緒になって報酬が低い、自分たちは入居者さんのためにやっているのに、議員の先生何とかして、みたいな改善しかしてこなかったので業界全体が強くなっていない。そう思いませんかしみずさん?」

その通り。
このような改革派の社会福祉法人幹部と出会うのは初めてだと思う。

この時期に保険屋からの紹介された方というのは自分自身への何らかのメッセージだと強く思い、自分への反芻の為にも昨日の彼の言葉をこのnoteに綴る。

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