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親にカッコつけたがる友人

おはようございます。

先週、ある友人から相談があった。
「お金のことで相談が‥」
彼は会社を経営しているが業績があまりよろしくないことは知っていた。

電話で話を聞いてみる。あまり詳しいことは記載出来ないが、簡単にまとめると、今まで支払いを待ってもらっていた所から催促&強制執行等で何ともならない状況になってしまうとのこと。

彼を助けたい気持ちはあるが気になっていたことがる。
「両親には相談したの?」
彼の父親や母親も別の会社を経営している。
両親の会社の状況までは聞いたことは無いが、私にまで相談して来るという事は一番身内の両親へ相談したのかは気になる。

「両親にはまだ相談できていないです」
「なんでしないの?」
「そこが自分の変なプライドと言うか…」

歯切れが悪い。

彼が今やっている会社は親から譲り受けた会社である。
親にはしっかりやっていると思われたいのだろう。

その気持ち、何となく私も分かる。

私は幼少のころ、祖父母と同居し愛されて育った。
祖父は会社を経営していたが、小学4年生のときに倒産、家が担保に入っていたこともあり、父母兄弟と引越ししアパート暮らしへ。
祖父の会社で働いていた父は同業の他社へ転職した。

私が大学へ進学、1人暮らしを始めたころに母から連絡が。
「お父さんが仕事辞めて自分で活動するって」
大学に入り、自分の毎日が楽しいことに夢中な私、それほどその話の重要性を考えずに聞き流していた。
そこから数年し、また母から連絡が入った。
「お父さん、仕事上手くいっていないらしく、2日くらい家にも帰ってきておらず、連絡もつかないの」
「えっ、そんなことになっているの?なんでもっと早く言わないの?」
「あなたに心配かけたくなかったから…」

急いで実家に戻る。
母親の話を聞く。
木材関連の仕事をしていた父、仕入れた材料の納品トラブル等で資金繰りが悪化、数か月前からバタバタしていたらしい。
父も母に心配をかけないようにしていたらしく、多くを母に伝えていなかった。
結局その数日後父は自宅に帰って来た。
その後、母が遠い親戚である弁護士に相談し何とかトラブルを整理し父は廃業、現在まで警備のアルバイトで働いている。

父や母の「心配かけないように」という言葉。
これはうまく言っていない自分を他者に見せたくないというエゴである。

とは言え私も一緒。
会社を始める際に両親にこれからの夢のような話はしたが、前職の苦悩のようなことは話をしていない。
「その話をして会社を始めるというと両親が心配すると思ったから」

自分の子供の顔が浮かんだ。
どんな失敗や欠点があっても子供は無条件に愛している。
成績がいい、親孝行してくれる、それは嬉しいがそうでなくても子供は大好きである。
カッコいいデキる自分を好きでいるのが両親ではない。
どんな自分でも愛し、信頼してくれるのが親なのである。

その彼には私の思っていることを伝えた。
状況は違うが私も彼と同じような状況に今後なるかもしれない。
その時、親に相談できるのだろうか。
彼へ話をしているのと同時に自分に問いかける。

「カッコつけるな、そのプライドを捨てないとここで資金調達できて生き延びたとしてもまた同じことになる」

選択するのは彼である。
時間はほとんどない。
ただ、彼にとって人生の大きな分岐点であることは間違いない。

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