【地域で輝く学生vol.38】~明石工業高等専門学校・明石高専スタートアップ合宿および事業提案発表会を開催しました~
地域で輝く学生、今回は明石工業高等専門学校の取り組みをご紹介します。
明石高専の「創造工房を中心としたスタートアップ・アカデミー立ち上げ教育環境整備」が、文部科学省の高等専門学校スタートアップ教育環境整備事業に採択されました。
本事業を通して、学生が「高専生」という同質の集団から脱却し、社会と高頻度で接し、社会に寄り添いながら自らの興味関心に夢中で取組む実践教育プログラムを立ち上げ、新たな価値やビジョンを創造できるスタートアップ人財を育成することを目指します。
今回、2泊3日で南あわじ市を舞台に、リアルな地域課題に向き合い、起業家等のアドバイスを受けながら、事業当事者へ課題解決提案を行う実践的なプログラムに取り組みました。合宿後は、訪問・インタビューを行った手延素麵と淡路瓦の各事業所様に対し、学生たちがチームで創り上げた独自の事業提案を披露しました。
南あわじ市長との意見交換
市の課題や将来の展望についてお話を伺い、学生たちは観光面や産業面の観点から質問を行い地域課題について意見交換を行いました。
ビジネスモデルデザインワークショップ
桃山学院大学ビジネスデザイン学部 岡田明穂先生をお招きし、ビジネスモデルのデザインと創造的な発想手法を学びました。ワークショップでは、ビジネスモデルイノベーションワークシートを活用し、ビジネス提案の型を身に付けることを目的として、各自が気になる既存のビジネスモデルを1つ挙げ、それを題材にしてワークシートに記入し、チーム内でプレゼンを行うことで成功するビジネスのストーリーが自然にたてられる力を身に付けました。
防災に関する特別講義
環境防災科を有する兵庫県立舞子高等学校の校長などを歴任された浅井伸行教育長による特別講義では、南あわじ市の防災教育についてお話いただき、ボランティアや募金活動を通じた教育で得られる人を思いやる気持ちの大切さについて講義をいただきました。
淡路手延素麺組合を企業訪問
淡路手延素麺組合の金山理事長より、淡路手延素麺の歴史や伝統に触れながら製麺工程をご説明頂きました。学生との活発な意見交換の中では、知名度や労働環境の向上に努めながらも後継者不足等の厳しい課題にも向き合っているお話が印象的でした。最後に、金山理事長のご厚意で、学生にとって初めてとなる手延体験をさせて頂きました。
淡路瓦工業組合及び栄和瓦産業株式会社を企業訪問
淡路瓦工業組合では竹澤専務理事より、淡路瓦の歴史や製造工程、他産地との違い等、伝統文化を守りながら新しいチャレンジや課題に挑んでいるお話をうかがいました。その後、栄和瓦産業株式会社を訪ね、浜口代表取締役(同組合理事長)のご説明・案内のもと、瓦製造の全工程を見学させて頂きました。省人化が進んでいるものの非常に労力のかかる作業であること、文化を継承しながら採算性を確保するという難しい経営をされていること等、学生は身近な伝統産業が直面する課題を目の当たりにしました。
最終日、12名全員が淡路手延素麺と淡路瓦に関する事業提案を行いました。ビジネスモデルデザインワークショップでの学びを反映し、学生目線の斬新さと実現可能性のバランスが取れた提案が多くみられ、忙しいプログラムの中でも真摯に地域課題に「自分ごと」として向き合う学生の姿が印象的でした。
〇事業提案発表会の学生発表
1.SukuSukuSomen
手延素麺を活用した新しい離乳食
発表者:都市システム工学科1年・田村聡都
2.NobiNobiSomen
手延素麺×子ども×シニアの「手延素麺引き延ばし体験キット」
発表者:都市システム工学科2年・藤原茉桜、建築学科2年・山口智大
3.日本を旅する淡路
独自PR車による移動販売を通じた新たな淡路瓦製品の販売
発表者:機械工学科1年・米田桃子、建築学科1年・岡田紬季
4.空き家でたたきーや
空き家を活用した廃瓦割体験
発表者:建築学科4年・松本太樹、機械工学科1年・廣岡輝彰、都市システム工学科1年・稲葉太一
寄稿:明石工業高等専門学校 学生課