学費の返還はありえるか

全国の大学において高まっている学費返還を要求する運動ですが、かつて同じくその運動を志した身として考えを記しておくので、多少長くなりますがご覧ください


結論と主張

結論から言えば学費返還の要求はされないと考えます
学費返還に関して主な主張は4つ
①施設等が利用できないことの不利益
② ①にも伴って必要な費用の低減があるだろう
③ オンライン授業に伴う学生の負担増
④ オンライン授業への事前の告知なし


①施設等が利用できないことの不利益

①については最もですが、しかし大学側もかなりの努力をしており、この状況は大学側の責めに帰すことができる事情ではないので、主張はできるが決定打にはならないと思います


② ①にも伴って必要な費用の低減があるだろう

②について、確かに一部施設では費用減があったかもしれませんが、しかし費用が下がった=学費下げるというのは危険なロジックです
逆に言えば学校はオンライン授業(あるいは今後の改善)で以前より費用が掛かった場合それを授業料に転嫁するようになります
それを考えるとこの主張は妥当でしょうか?


③ オンライン授業に伴う学生の負担増

③について通信環境を学校側が積極的に準備する必要はありますが、学費返還の根拠には弱いです
それに今は通信会社が遠隔授業に伴ってかなりの量のギガを無料で提供してくれているので問題もあまり大きくない


④ オンライン授業への事前の告知なし

④について、個人的にはこれが最も妥当だと思います
学生は学生同士あるいは教授との交流やサークル活動を期待して50万超の学費を払っていました
それが突然一方的に遠隔授業へ移行されたのですから、その期待を違えたとして大学は学費を見直す道義的責任があります


①~④のまとめ

さてここまで書きましたが、④以外の主張はちょっと微妙で、④も道徳に訴えるというよわよわな手段しかありません
だから私が考えられた範囲では学費返還を要求してもおそらく効果がないと思います(ただし無駄であるとは言ってない)


返還されないだろう根拠

以前私も同様の要求を考えたときに海外の事例も調べましたが、少なくとも英語圏の大学では学費の返還はしない(一部寮費等の返還はあるようです
また東北大学則の35条に学費の返還はしないと明記してあるので学費納入の23日がタイムリミットで、その後は超法規的措置がとられない限り署名も無駄になりますし、大学も学則を破るようなことはしないと思います
それに大学側も例年よりずっと負担が増えているのに学費返還とは何事だと少なからず思っているはずなので積極的に動くかは怪しい気がします


まとめ

以上より現時点では学費返還はおそらくないと思います
意外と声を上げればどうにかなる可能性もありますが、それを期待するのはあまりに楽観視しすぎな気がします

なるべく客観的な記述を心がけたつもりですが、頭いい人にはこれ以上の考えがあるのかな
法学部のくせに法律上どうとかは特に言及できませんでしたHahaha
嘘か本当か、ツイッターで見かけた情報によると、弁護士的にも返還は難しいらしいですね
現状では主張が弱いのは事実なのでもっとしっかり作戦を練る必要があると思います
ただそれでも声を上げることは決して無駄ではないと思っているのでうまくいくことを心より願っています



あとがき的な

そしてここからは完全に私の感想ですがよろしければお読みください

今回の件で特に顕れたように、学生の声が大学側に届きにくいという現状があります
署名も誰かがやるまで誰もやらないという状況で、またその署名もどれだけの効力を持つのか疑問です
今後は学校側に"対抗"するような学生の団体が必要とされるのではないでしょうか?
某学生自○会が以前はその役割を担っていたのかもしれませんが現在はただの左翼サークルで役に立ちません
何か新たな、(露骨な政治色を絶った)団体ができれば、今後の主張も説得力のあるものになるかと思います
これも誰かが作るのを待つべきなのでしょうか
それとも今が立ち上がるときなのでしょうか

いろいろ書きましたが
学費、下がってほしいですね
浮いた金でswitch買いたい

B8 法学部 ドルフィンみさき
(※学生○治会の回し者ではありません念のため)