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2023年12月の記事一覧

【6曲鑑賞】BUMP OF CHICKEN『aurora arc』の修辞

『aurora arc』は人気ロックバンドBUMP OF CHICKENが2019年にリリースした9枚目のフルアルバムです。今回このアルバムから6曲を鑑賞し、少しでも修辞の技術を盗もうと試みます。 記念撮影 「喋って」いる時間だけでなく「黙って」いる時間も(つまり「君」と過ごす時間の全てが)心を通わせる大切な時間なのでしょう。数学の補集合にあたる二つの時間を対句で表しています。 Spica こちらも対句ですね。雨だけでなく色々なキッカケで君を思い出すのでしょう。一般性

【6曲鑑賞】蝶々P『Glorious World』の愛の歌

『Glorious World』は蝶々Pが2011年にリリースしたボカロアルバムで、華やかなピアノや愛を讃える歌詞が印象的です。今回このアルバムから6曲を紹介します。 where to listen: Apple Music amazon music LINE MUSIC レコチョク mora ※ 以下のリンク先の動画は、アルバム収録作品とアレンジが異なる場合があります。 デンドロビウム・ファレノプシス 離れて過ごす恋人への切実な想いを歌うバラード。曲名はラン科の花の

40㍍Pの比喩(6曲鑑賞)

40㍍P(40mP, 40meterPとも)は2008年から今までボカロの世界で活躍する音楽家です。 彼の人気楽曲を聴いてみるとキャッチーなメロディーと比喩表現を活かした歌詞が印象に残ります。 ここでは【比喩のモチーフ】に着目して40㍍Pの曲を鑑賞してみます。 【道化師】からくりピエロ 報われない恋に踊らされる自分を道化師に喩えた切ない曲です。 冒頭の「待ち合わせは二時間前で」で状況が明確に浮かび、サビでは「Ah 回って 回って」というフレーズが耳に残ります。終盤では「

Saucy Dog『シーグラス』 別れる二人が最後に思い出の海にやってきた。幸せな記憶と悲しい現在が溶けあう。断片的で映像的な文体は、回想をそのまま言葉にしたかのようだ。 記憶も波に洗われたのか、終始「君」は美しく描写される。特に波止めの上で羽ばたいてみせるシーンが鮮やかだ。