見出し画像

Mystery Jets - A Billion Heartbeats (2020)

画像1

イギリスの中堅バンド、Mystery Jetsの6枚目のアルバムです。ストリーミング/ダウンロードは4/3に公開済みですが、フィジカルは6/26に発売されます。

Mystery Jetsは3rd『Serotonin』(2010)までは、可愛らしいポップソングを作るこじんまりしたバンドでした。しかし4th『Radlands』(2012)から本格志向が窺えるようになり、5th『Curve Of The Earth』(2016)では緻密な演奏と爆発的なダイナミズムを披露。とんでもない大器晩成型であることを披露したのでした。

6thとなる本作でも、シリアスな本格派路線は継続。大作志向だった前作と比べると、込められた感情の強さはそのままに、一曲一曲の独立したポップソングとしての強度が増し、極上のソングブックに仕上がっているような印象。

前作と並ぶ最高傑作であり、ここ10年で最も力強いロックアルバムの一つであると宣言してしまいたくなるような、そんな10曲が収められています。

音  :★★★★★
曲質 :★★★★★
録音 :★★★☆☆
個性 :★★★★☆
エモさ:★★★★★
総評 :★★★★★

一曲一曲を見ていきます。

1. Screwdriver

昨年8月に公開されました。開放弦を活かしたヘヴィなリフがとても印象的です。2016年のジャムセッションで生まれた曲であり、そう言われてみると『Curve Of The Earth』収録の"Taken By The Tide"と姉妹曲のように感じられます。

2. Petty Drone

P.I.L.の『Rise』にインスピレーションを受けたとのこと。個人的にはキャリア後半のThe Beatlesのメロディに、Foalsの力強さを加えたような印象です。ロックのダイナミズムに意外性溢れるポップなメロディを載せた佳曲です。

3. History Has Its Eyes On You

Alt-Jを思い出させるようなアートロック。一定して流れるダブベースにマントラのようなボーカルメロディが非常に幻惑的です。アイスランドの氷河を散歩してる中で思いついた曲らしいです。

4. A Billion Heartbeats

「悲劇を経ないと本質が見えないのはなぜだ?」「どうして人は冷たい言葉でこの世の終わりまで他人を騙し続けるんだ?」という歌詞が、バンドの歴史を総括するような力強い音で歌われます。ここまで4曲、怒涛の攻勢です。

5. Endless City

ギタリスト:William Reed(作品完成後脱退)がボーカルを取る、落ち着いた曲です。それでも非常に力強いメロディが乗せられており、本作への彼らの意気込みを感じ取れます。

6. Hospital Radio

昨年7月に公開されたリードシングル。ここでも非常に力強い演奏とメロディで圧倒されます。アルバムのハイライトです。NHS(国民健康保険制度)を称賛する歌詞。コロナ対策で奔走する同制度職員を称えるコンピレーションアルバム(Wolf Alice等参加)も出ていますが、図らずもその流れの先鞭をつけたような形に。

7. Cenotaph

私が一番好きなのがこの曲。透明感のあるアコースティックバラードで、メロディの美しさ、音の繊細さに心奪われます。

8. Campfire Song

アルバムリリース後、ファンやメディアからの評判が高かった曲。全編キャッチーなメロディで溢れており、ソングライティングが乗りに乗っていることを存分に証明しています。デビューから15年経って全盛期を迎えるのは本当にすごい。

9. Watching Yourself Slowly Disappear

Frightened Rabbitの亡くなったボーカリストに捧げた曲。これまた非常に力強い演奏に歌。アルバムの印象にダメを押します。

10. Wrong Side Of The Tracks

Coldplayみたくアンセミックなクロージング。ここまでの強力な曲に比べるとやや弱いような気もしますが、穏やかにフェイドアウトすることで上手くクールダウンさせてくれます。










この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
6
音楽のレビューを徒然なるままに書き連ねていきます。ツイッターもやってます!
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。