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近所に住んでいた会社経営者のおじさん。

俺が育った実家の周囲は専業主婦のお母さんばかりで、話題といえば子供の教育や美術館で絵画鑑賞会などそういう会話をしていた。

なぜ俺が大人同士のこういう話を知っているのかというと、近所の母親たちの集いというのは誰か1人の家だけで行われるのではなく、日替わり的な感じでメンバーのそれぞれの家に集まっていたから。

だから俺が学校から帰ってきて、玄関に靴が何足かあると「あっ、来てる」と思い、手を洗ったりランドセルを置いてからまずはリビングに行って丁寧に挨拶。

これをしないと母親の子育ての仕方について減点されるので、俺はしっかりマナーを教えられた。

お母さんたちも個性豊かで自慢話しかしない人もいれば静かに話を聞いている人もいた。

俺の母親は聞く側だった。

まるで学校のクラスみたいだけどそのグループの中でさらに仲の良い人同士というのができる。

俺の母親と一番仲が良かったのはグループの中で旦那さんが会社経営者の奥さんだった。

お互い控えめな性格が合ったのかよく二人でランチに行ったり、うちでもよく話していた。

まあ、たまにボスママに二人で楽しそうなのを見られて指摘されていたそうだが。

チェックが厳しいなぁ。

そこのご夫婦の旦那さんは上でも書いたが経営者なので普段はとても忙しい人だった。

しかし家が近いのでたまに俺と出会うことがあった。

俺が新しい自転車に買い替えていると「その新しいマウンテンバイクはかっこいいね!」と必ず気づいて褒めてくれた。

とても穏やかな口調で目線も地面に少ししゃがむような感じで俺に合わせて話してくれた。

「この人すごいなぁ」と子供だったけど思っていた。

明らかに人の上に立つ雰囲気があったから。

しかし全く偉そうな態度ではなく、むしろ子供の俺が自分のことをどんどん話して逆に聞いてくれる人だった。

世の中に経営者は多く存在する。

会社では社員がいるので厳しい人かもしれないがプライベートではこうして穏やかに俺のマウンテンバイクを褒めてくれた人もいるのである。

で、意外と経営者ってタイプは様々だが何か同じ雰囲気を感じる。

なぜかというと親戚にも会社経営者がいて性格は違うが、やはり上で書いた実家の近所のおじさんと同じような感じだから。

今日はふとそういう出来事もあったのさという話でした。

では、また。

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