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R/B meets M/C vol.2 ~ルネサンス・バロックと近現代音楽の出逢い~(2020/2/15)

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『R/B meets M/C vol.2 ~ルネサンス・バロックと近現代音楽の出逢い~』に伺いました。(2020/2/15@古賀政男音楽博物館 けやきホール)

このコンサートのキーワードは R/M、M/C の邂逅です。R/Mとはルネサンス/バロック、M/Cはモダーン/コンテンポラリです。中間の時代に作曲されたものはあえて取り上げず、時代を大きく隔てた楽曲を追う、とても興味深い取り組みが行われました。

ソプラノの東城里奈さんは東京音楽大学大学院音楽研究科を修了し、現在は藤原歌劇団準団員、日本オペラ協会準会員として活躍中です。ピアノの大内暢仁さんは東京音楽大学ピアノ科卒業。デンマークのバロック期の作曲家ブクステフーデの研究に取り組んでいます。作曲家でピアニストの渡邊拓也さんは武蔵野音楽大学大学院音楽家研究科ヴィルトゥオーゾコース(ピアノ)を修了。ピアノ演奏、作曲として活動中です。

プーランクの洒脱なオペラのアリアでコンサートは始まりました。東城さんの透る美しい声と表現力で風刺の効いたオペラの魅力を歌い上げ、1曲目から強く惹きつけられました!パッヘルベルと言えば「カノンとジーグ」が突出して人気ですが、この日は「組曲」が大内さんのピアノで演奏されました。何回も聴きたくなるようなとてもロマンティックな曲でした。

なお、このコンサートでは近現代の曲とバッロク期の音楽がほぼ交互に演奏されました。近現代の曲はケージやクィルター、吉松隆が作曲したものですが、いわゆる実験的な現代曲ではなく、調性のある内面的な音楽で聴きやすく、バロック期に作曲された曲にも通じるものを感じることができたのが印象的でした。渡邊拓也さんは自作と近現代の曲を中心に演奏しましたが、曲の面白さを伝える丁寧な演奏が素晴らしかったです。後半に演奏された東條さんが歌ったクィルターや大内さんの演奏した「スキタイ人の行進曲」など聴きどころ満載のコンサートでした!

▼セットリスト
プーランク:歌劇《ティレジアスの乳房》より「いいえ、旦那様」
パッヘルベル:組曲
ケージ:Dream
渡邊拓也:Dreaming
パーセル:歌劇《アーサー王》より 「最も美しき島よ」
パーセル:グラウンド ハ短調
パーセル:音楽劇《妖精の女王》より「聞いて!大気はこだまして」
パッヘルベル:シャコンヌ ヘ短調
バード:女王のアルマンド
クィルター:7つのエリザベス朝の抒情詩 Op.12 より
     「もう泣くな悲しげな泉よ」「不実な羊飼いの娘」「喜びの麗しき家」
吉松隆:ピアノ・フォリオ…消えたプレイアードによせて
ロワイエ:スキタイ人の行進
渡邊拓也:8つのスケッチ

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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