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カンディンスキー ピアノリサイタル2020(2020/2/24)

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『カンディンスキー ピアノリサイタル2020』に伺いました。(2020/2/24@東京文化会館 小ホール)

ミハイル・カンディンスキー(Mikhail Kandinsky)さんは1973年モスクワ生まれ、大画家W.カンディンスキーを輩出したロシア家直系にあたるピアニストです。1996年モスクワ音楽院首席卒業。全額給費特待生として渡英、英国王立音楽院大学院修了。 ウィンゲート賞受賞。近年はワルシャワでのショパンコンサート、モスクワでのタニエフ音楽祭に招聘され好評を博しました。

プログラムはベートーヴェン: ピアノソナタ 第21番 “ワルトシュタイン” ショパン: ファンタジー イェフィモフ: 奇妙なまぼろし(初演) ラフマニノフ: ピアノソナタ第2番でした。

生誕250年を記念して演奏されたベートーヴェンのワルシュタインはほの暗い独特の光を感じるカンディンスキーさんの解釈が鋭く、後半に向け、優しさ溢れる表情の変化の美しさにハッとさせられます。2楽章で感じる哲学的な寡黙さ、3楽章の安寧。ベートーヴェンの精神性に迫るような説得力と新鮮な解釈を感じました。続くショパンでは1曲目のベートーヴェンに通じるようで、外面的な演奏効果よりもショパンの内面を浮かびたたせるような、心に響く演奏でした。

イェフィモフはユダヤ系ロシア人作曲科で「奇妙なまぼろし」はミハイル・カンディンスキーさんの父親にささげられた曲です。ロシア独特の憂鬱な孤独感が感じられ、現代的な感覚と親しみの感じる音楽が印象的です。演奏前にはカンディンスキーさんによるロシア語の朗読と指揮者として活躍している須田陽さの日本語朗読がありました。今後多くの人にもっと注目をしてもらいたい曲でした。

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最後にラフマニノフのソナタ第2番が演奏されました。この曲にはいくつか版があり、初版(1913)については既にコンサートで取り上げていて、今回は改訂版(1931)で演奏されました。透徹な響き、静けさ、後半に響く喜びと希望のエネルギーが感じられる感動的な演奏でした!!

なお、このコンサートでは開演前にカンディンスキーさん奥さんであるカンディンスキー美帆子さんのアイリッシュハープの演奏があり、花を添えていました!

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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