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フライハイト交響楽団 第46回定期演奏会(2019/7/6)

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『フライハイト交響楽団 第46回定期演奏会』に伺いました。(2019/7/6@すみだトリフォニーホール 大ホール)

フライハイト交響楽団は1996年に結成され、年2回の定期演奏会を中心に古典ロマン派から難易度の高いプログラムまで、様々な時代や編成の楽曲に意欲的に挑戦しているアマチュアオーケストラです。指揮は多くのプロオケやオペラ公演で活躍されている森口真司さんでした。

コンサートは鮮やかなドビュッシーの『夜想曲から「祭」』から始まりました。
続いてアマオケで演奏されることは珍しいブロッホの「ヘブライ狂詩曲《シェロモ》」が、中木健二(Kenji Nakagi)さんを奏チェロに迎えて演奏されました。
チェリストの中木さんは東京藝大を経てパリやスイスで学び、ルトスワフスキ国際チェロコンクール第1位を始め多くのコンクールで多数の受賞歴があります。現在は紀尾井ホール室内管弦楽団のメンバーほか東京藝大の准教授などを努めています。中木さんの雄弁なチェロに導かれ、妖しい音楽の大きなうねりを表現した熱演になりました。ラストは感情を絞り出すかのようなチェロの静かな響きで終わりました。大勢の聴衆の拍手に応え、中木さんがアンコールとしてバッハの「無伴奏チェロ組曲から第1番サラバンド」をシェロモとは打って変わった軽やかで繊細な響きで弾き、聴衆を魅了しました。

メインプログラムはショスタコーヴィッチの『交響曲第11番「1905年」』でした。不安と緊張感に満ちた導入部が引き締まった弦楽アンサンブルで表現され、一気に聴衆の集中度が高まりました。その後さまざまに展開していく曲想が、制動の効いた立体的な演奏で繰り広げられました。全楽章アタッカで1時間に渡る大規模な楽曲でしたが、森口さんの端正で的確な指揮によって音楽が明快に構築され、クライマックスではオーケストラ全体が非常によく鳴っていました。感情の起伏の大きさを見事に表現した快演になりました。

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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