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坂本彩・坂本リサ ピアノデュオリサイタル(2019/4/12)

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『坂本彩・坂本リサ ピアノデュオリサイタル』に伺いました。(2019/4/12@五反田文化センター)

姉の坂本 彩 (Aya Sakamoto)さんは東京芸術大学大学院修士課程を修了、妹の坂本 リサ (Risa Sakamoto)さんは現在、東京芸術大学大学院修士課程2年在籍中。ソロでも国際コンクールで最高位を受賞されているお二人が、幼少より始めたピアノデュオでもポーランドの国際ピアノデュオコンクールで第1位を受賞されています。

今回のデュオリサイタルは西村朗の「水の詩曲より 1. 水の鏡」から始まりました。2台のスタインウェイが向かい合わせに配置され、冒頭から鮮烈な響きで一瞬にして聴衆の集中度が高まりました。水の煌めきを表現した楽曲の構成も素晴らしく、二人の音楽的な対話と共鳴によって見事に表現され感銘を受けました。
その後は1台のピアノを連弾(4手)で演奏し、シューベルトの「アンダンティーノと変奏曲」「ロンド」では、うっとりするような可憐で美しい演奏でした。続いて、ドヴォルザークの「ボヘミアの森」から快活な3曲が演奏されましたが、曲想を丁寧に描き分けていました。お二人の演奏は同じ空気感の中で自然に呼吸するような演奏です。

後半はバルトークの「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」。打楽器にはN響ティンパニ奏者の植松 透 (Toru Uematsu)さんと、N響打楽器奏者の黒田 英実 (Hidemi Kuroda)さんがゲスト奏者として登場。ステージ手前に2台のピアノがV字に、そして打楽器が中央奥に配置されました。強靭な打鍵と鮮やかなリズムによるバルトークの楽曲でも坂本姉妹のピアノは混濁せずクリアな響きを保ち、キレのある打楽器と渾然一体となった素晴らしいアンサンブルを体験しました。
アンコールにはルトスワフスキの「2台のピアノのためのパガニーニの主題による変奏曲」が演奏されました。こちらがメイン曲かと思うほどの高度なテクニックを必要とする楽曲でしたが、ピアノと打楽器による鮮やかで見事な演奏に聴衆が湧きました。

とても素敵で爽やかなコンサートを楽しませていただきました。これからの二人の活躍に大きく期待したいと思います。

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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