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朗読・フルート・オーボエ・ピアノで楽しむ芥川龍之介の世界」ロマン派の王道と出会う!(2019/12/6)

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『「朗読・フルート・オーボエ・ピアノで楽しむ芥川龍之介の世界」ロマン派の王道と出会う!』に伺いました。(2019/12/6@紀尾井町サロンホール)

時代を超えて語り継ぎたい芥川龍之介の名作「蜘蛛の糸」「仙人」を朗読・フルート・オーボエ・ピアノで楽しむコンサートで、音楽は桃サクラさんによる全編オリジナル書き下ろしという意欲的なコンサートでした。朗読・フルートを桃サクラさん、オーボエ・イングリッシュホルンを宮田麻沙代さん、ピアノを堀部ともよさんが担当し、「蜘蛛の糸」、「仙人」が初演されました。そのほかにも『青の伝説』より「昔話」「三度池」「水の来る場所」「青の伝説」が演奏されました。

「蜘蛛の糸」と言えば芥川の代表的な作品です。この曲は桃サクラさんの落ち着いた綺麗な日本語朗読で始まります。情景を想像しながら目を瞑って聴いていると、フルート、オーボエ、ピアノの演奏が加わり、それまでモノトーンだった世界がカラーに変わるような錯覚を覚えました。桃サクラさんの音楽は文学の情景をことさら音楽化するというよりは、その世界観の空気を音楽に息づかせるような適度な距離感があり、文学との相乗効果を生むようなものでした。「仙人」でも同様に、音楽は文学の世界に新たな創造する楽しみを与え、各登場人物の示導動機を持たせて、朗読でありながら演劇のような効果を上げ、とても新鮮でした。

桃サクラさんは音楽を作ったあとに、曲のタイトルをつけるとの解説がありました。イングリッシュホルンの響きが心に残る「水の来る場所」、ピアノの響きが美しい「青の伝説」など、どれも人々の心に寄り添う優しさに溢れ、とても素晴らしいコンサートでした!

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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