見出し画像

林晶彦デビュー30周年記念コンサート 永遠への飛翔 林晶彦の世界(2019/11/13)

画像1

『林晶彦デビュー30周年記念コンサート 永遠への飛翔 林晶彦の世界』に伺いました。(2019/11/13@東京オペラシティ コンサートホール)

音の魔術師と評される作曲家、林晶彦さんは17歳で渡仏。後にヨーロッパ、中東などを訪れ独自の音楽を探求してきました。1989年ツトム・ヤマシタプロデュースによる京北国際芸術祭で鮮烈なデビューを果たしました。この30年の節目を記念して、研ぎ澄まされ、深まり魂に響くような8つの作品を現在活躍中の演奏家とともに演奏されました。

第1部では東京佼成ウィンドオーケストラ、オーボエ奏者の宮村和宏さんとチェロ奏者の富田牧子さんによる『鳥と大地の詩』、姜賢玉さんのヴァイオリンソロと鍵本景子さんの語りで『無伴奏ヴァイオリンの為の「シオンの丘」より』、林晶彦さん自身のピアノソロによる『はるかな沈黙の鳩』、NHK交響楽団首席ティンパニ奏者、植松透さんと林晶彦さんのピアノによる『Out of place』、最後は姜賢玉さんのヴァイオリンと林晶彦さんピアノの演奏で『雅歌』が演奏されました。

画像2

曲のタイトルが暗示しているように音楽が生み出す世界は静謐さや時に宗教的な世界を聴き手に導くようでした。鳥と大地の詩は阪神・淡路大震災の翌年黙祷をささげていた時に着想を得た作品で、荒涼とした風景に鳥の声が響くような、どこまで心に残る印象的な音楽です。

第2部は植松葉子さんの能管、植松透さんのパーカッション、林晶彦さんのピアノによる『十三羊図(新曲 初演)』、二期会所属のソプラノ吉原圭子さんによる『おおぞらのこころ/雪/ドゥイーノの悲歌(語りあり)/ハレルヤ』、最後に宮村和宏さんのオーボエ、梓澤たまきさんのヴァイオリン、富田牧子さんのチェロ、林晶彦さんのピアノで『永遠の飛翔への四重奏曲(新曲 初演)』が演奏されました

『十三羊図』では奏者が舞台を移動しながら一瞬一瞬に発する音の意味づけが有機的で、また消えていくはかなさを感じる不思議な世界を創りあげていました。吉原圭子さんの美しい歌声、『永遠の飛翔への四重奏曲』での緻密なアンサンブルなど、とても充実した音楽体験でした!

画像3

この日の演奏はライブ収録もされており、CDでも発売予定です。ぜひこちらも確認してみてください!
http://www.anupamo.net

画像4

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?