子育てのゴール
様々な“子育て観”を紹介した本誌、このちから10号の特集「子のちから」。ここでたくさんの方にお願いしたアンケートに「子育てのゴールは何ですか?」という質問があった。
「ゴールは無い」「考えたこともなかった」という人もいれば、「(経済的)自立」「自活」という目に見えるゴールの人もいたり、精神的自立を表す「元気に幸せな一生を送ること」など目に見えないゴールの人もいた。
そんな中で、私の母が書いてくれた答えは「希望」だった。ちょうど昨日のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」で、主人公のお父さんが「娘たちは希望だ」と言っていたのを聞いて思い出した。
「どこに行ったって構わない。お前たちの未来は明るい。決して悪くなる一方じゃない。私はそう信じて、言い続けてやりたい」と台詞が続いていた。
子どもが親元を離れてしまうと、親としてできることは子どもを信じることだけだと思う。どんな道を選んでも、その子どもの選択を信じて、あとは応援してあげることくらい。それを言葉にすると「希望」なのかもしれない。
おそらく私の母も、私が嫁ぎ、家を出てから、そんな答えが出てきたのではないかと思う。私が家を出るまでは、「子どもが親の面倒を見るのが当たり前」と思っていた派で、私が社会人になってからは、子どもに寄りかかって当然な顔をしていた(と思う)。
そんな母が、物理的に子どもの私と離れ、そして子育てのゴールを「希望」と言ってくれたことは、とても嬉しかった。信頼してもらい、応援してもらえてるんだと心から思えて、逆に私も母を大切に思った。信頼関係を築くこととは、人をこんなにも強くしてくれるんだと感じた。
私の息子が親元を離れるのはまだ先だろうけど、この先、息子がどんな道を選んでも全力で応援できるよう信頼関係を築くことが、私の子育てのゴールかもしれない。
(芹川)
本誌/このちからvol.10 ▶︎ https://conochikara.thebase.in/items/8878124
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