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VCMI「Scope 3 Claim」コンサル開始

去る7月23日、VCMIが「Scope 3 Claim」のコンサルテーションを9月2日から10月7日にかけて実施する旨、発表していました。

ピンとくる方も多いかと思いますが、昨年11月にリリースした「Scope 3 Flexibility Claim」の進化版です。noteで簡単にご案内しています。

150団体以上からのフィードバックを反映、名称も新しく「Scope 3 Claim」と変更した上で、今回のコンサルテーションとなった模様。なので、詳細は「Scope 3 Flexibility Claim」を参照のこととあります。

公開ドラフトは、こちらのコンサルテーション公式サイトからダウンロード可能です。また、政府、企業、業界団体、市民団体、学術・研究機関、メディア、NGOなど、幅広く意見を求めていますので、フィードバックを提出してみてはいかがでしょうか。

ローンチウェビナーは8月末に実施されており、オンデマンド視聴できます。
また、開発はSBIと共同で推進するとのことで、ウェビナーも既に2回実施済ですが、こちらは、アーカイブは無いようでした。

昨年11月のCOP28開催中に、「ISO 14068-1:2023(Climate change management-Transition to net zero-) Part1 : Carbon neutrality」がリリースされ、「carbon neutrality」及び「net-zero」が定義されたことはご案内済。

これを契機と言わんばかりに、同月VCMIは、前述したように「Scope 3 Flexibility Claim」を発表。引き続き、今年4月には、SBTiの新しい経営陣が、クレジットの活用を認める旨の声明を発表したことは、記憶に新しいところでしょう。

加えて、SBTiは7月に、「Scope3 discussion paper」を発表。SBTiが、「世界全体の排出削減」に対してクレジットを活用していく姿勢を明らかにしたことは、エポックメイキングでした。

こちらも、noteでご案内済みですので、よろしければご参照下さい。

コンサルテーション開始のプレスリリースで、VCMIは次のように、その目的を説明しています。

Scope 3 Claimは、企業が削減できなかったスコープ3排出量に対して、より大きな行動をとることを可能にするメカニズムを提供する。また、排出削減・除去プロジェクトに重要な気候変動資金の流れを提供する、統合性の高い自主的な炭素市場への参加を支援し、拡大することにもつながる。

つまり、地球全体の脱炭素化に資する技術に、必要なファイナンシングを行うスキームということ。このような研究・開発は、スタートアップによるものが多いことから、「死の谷」を超えるために、大企業は自社のバリューチェーンを超えて協力して欲しい、という意図なのですね。

ということで、ドラフトにざっと目を通してて見ました。
これから読み込んでいきますが、概要はこんなところです。

1. 背景
• 多くの企業がスコープ1およびスコープ2の排出削減に取り組んでいるが、スコープ3排出の削減に対しては、コストやデータの制約などの障害に直面している
• このクレームは、企業が排出削減を進めながらも高品質なカーボンクレジットを購入して、その排出超過分を補うこと(BVCM)を奨励する

2. 目的
• スコープ3の排出削減に関する課題に直面している企業が、排出超過分に対して高品質なクレジットにより控除することを求める
• 2038年までにスコープ3排出の超過を解消し、ネット・ゼロを達成する

3. 主要な要件と手順
• 企業はスコープ1およびスコープ2の削減目標を達成するための進捗を示す
• スコープ3の排出に対して課題を公表し、それを克服するためのアクションプランを提供する
• スコープ3の排出ギャップは、目標に定めた排出量の24%以内でなければならず、その超過分に対してカーボン・クレジットを使用可能

4. フェーズアウトと期限
• スコープ3排出のギャップは2038年までに段階的に解消する

5. パブリックコンサルテーション
• ベータ版のクレームは2024年9月から10月にかけてコンサルテーション、最終バージョンは2025年初頭に発表予定

6. 追加の研究と検証
• 企業が直面するスコープ3排出削減の障害について、さらなる調査と検証が進行中

著者まとめ

既に、サス界隈では議論に上がっていますが、自分なりの意見、立ち位置を確認しつつ、プロジェクトの行く末をウォッチしていきたいと思います。

是非、皆さんもどう感じられたのか、コメントをお寄せ下さい。

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