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CFPの算定・検証に関する検討会(その1)

9月22日に、「サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証に関する検討会」の初会合が開催されました。

GXリーグに参加していることから予め案内がありました。

さらに、産業界から実務的な観点での意見を求めること目的として、 カーボンニュートラルに向け脱炭素に積極的に取り組んでいるGXリーグ賛同企業を対象に、検討会開催後説明会を実施、その後意見募集を実施する予定とか。

第1回が22日ですが、29日に説明会がTeamsで実施されるようです。
賛同している側からすると、このような場が設定されるというのは嬉しい。
どんどん、意見を上げていこうと思います。

さて、検討会の設置趣旨を見てみると、「CBAM」「EUバッテリー規制」「First Movers Coalition」が挙げられています。

つまり、日本企業が輸出する際に、不利益を受けないようにするための措置ということのようです。まぁ、GX-ETSもその一つではあると考えていますが、それを実現させるために必要なルール作り、施策であると言えます。

CFP検討会の目的と進め方より

ちなみに、CBAMは検討会の中でも説明がありましたが、このような「国境炭素調整措置」は、個人的に気になっているテーマですので、繰り返しご案内してきました。

簡単に言うと、製造時にCO2を多量に排出している製品を域外で生産し、域内で販売する場合には、相応の賦課金を課しますよ、ということです。

EU域内では排出枠があるため、それを回避するために海外で生産することを「リーケージ」と言いますが、それは許されない、という欧州委員会の意思なのです。

もっとも、EU-ETS同等の措置がとられている場合には、免除あるいは軽減されることになっています。GX-ETSがそれに足るものになるでしょうか。

CFP検討会の課題と背景より

EU-ETSは、リーケージを防ぐために、エネルギー多消費セクターに対して、排出枠の無償割当を行っています。「優遇するから出て行かないでね」ということなのですが、CBAMはそれに代わるものです。

「出て行ってもいいけど、入ってくるときは課金するからな」

ということで、CBAMはEU-ETSとの関係で、導入時期及び対象セクターは流動的ですので、これからも都度ご案内していく予定です。

次の「EUのバッテリー規制」については、ノーマークでした。

欧州委員会は、ホント、ルールを作るのに長けてますねぇ。したたかです。
他方、日本は作るのは苦手ですが、決まったことに対して遵守することは「長けて」ます。マーケット規模を考えると、致し方なしでしょうか。

CFP検討会の課題と背景より

最後の「First Movers Coalition(FMC)」は、ちゃんとフォローしていますよ。

検討会での説明資料はこちら。

CFP検討会の課題と背景より

「費用対効果が低いものの、革新的な技術を活用した先進的な製品を、率先して購入していきます」というコミットをする国際的な枠組みです。

枠組に参加する企業が増えれば増えるほど、新しい脱炭素技術の開発と普及が加速し、ひいては、温暖化対策が進むという訳です。

「買い手が変われば売り手も変わる」です。
「機関投資家と企業」のように、「やれ」と言われて「やる」のではなく、「欲しい」と言われるから「作る」というスキームですね。

さて、こう見てくると、経産省が認識している課題は、こちらのnoteで、先行してしっかりとフォローできていると言えませんか?

「私の問題意識も、まんざらじゃないな」とちょっと自信が持てました。
これからも、各方面へアンテナを張っておきたいと思います。

ここまで、背景について説明してきました。
次回は、CFPのこれまでの経緯や、その算定ルールに関する課題についてお話ししていこうと思います。

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