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ESG投資勉強中

Twitterで紹介頂いた、こちらの本。

全然、読み進めることはできていませんが、こんな状態でも、その価値は十分すぎるほどわかり始めてます。

著者の方とは知り合いでもありませんし、アマゾンの回し者でもありませんが、これまで抱いていた疑問や、曖昧にしか理解できていなかったところがクリアになりつつあり、是非とも紹介したいなと思った次第。

きっかけは「情報開示って、コストをかけてまでやるべきなのか?」という素朴な疑問でした。対象は、ステークホルダー一般で、とくに企業が発信したい相手は、金の貸し手である機関投資家と、お客様だろうと推定。

とすると、自主的に見に来るお客様は、環境意識の高い方だと思うので、企業活動が環境に対してどのような影響を与えているのか、社会問題の改善に対してどのように貢献しているのか、がポイントだと思います。

他方、機関投資家は、あくまでも、リターンが重要と認識。企業がそのリソースを脱炭素を始めとする、地球温暖化対策に資する活動に投資するのはよしとしても、その事実を開示ルールに従ってするにあたり、多大なるコストをかけるのは、いかがなものかと考えていないのか。

その答えに近いものが、本書の「第6章 ESG投資の実態ー独自インタビュー調査」にありました。

このインタビューは、2019年12月から2022年1月にかけて、35のアセットオーナー及び機関投資家に対して行われ、対面34%、オンライン66%だったそうです。総運用試算は24兆ドル(3,120兆円)超、世界の運用資産の2割超とのこと。詳しくは、書籍をご覧ください。

まず、開示コストについてのズバリの回答はありませんでしたが、機関投資家が「ESG投資を行うとコストは確かに増える」と認識しており、コストが課題としたのは15%に過ぎなかった、というアンケート結果がありました。

逆に、「8割がデータの確保と信頼性が課題としている」という結果は、企業がコストをかけて開示することは、両面においてウェルカムということでもあるでしょう。

とはいえ、「開示自体が目的になっていて、コストばかりかけるのはナンセンス」という機関投資家の声も聞いたことがあるので、そこはやはり、利益とのバランスでしょう。

ということは、開示のワークローをストリームライン化して、コストをかけずに、信頼性の高いデータをタイムリーに開示すれば、投資を呼び込むことも可能。近い将来、サスティナビリティ部門は、コストセンターではなく、プロフィットセンターになるのでは?

開示のコストに対する考え方は分かった。
では、機関投資家がESG投資を行う理由は何なのでしょう。
読み進める前までは「お客様や環境NGO/NPO、あるいは政府などの要望・要請に応えて」、つまり、外的要因だと考えていました。

皆さんは、どうでしょうか。

アンケート結果は、実に興味深いもので、事実、著者も驚いたとのこと。
「リスクをマネージして長期的リターン向上」を理由したところが、調査先の6割を占めたそうなのです。

つまり、社会貢献でなく、長期的に見てリターンが見込めるから、投資すると言うことなんですね。これが、吉と出るか凶と出るかは分かりませんが、企業にとって、この認識は重要でしょう。

政府は「GX経済移行債」を官民合わせて150兆円」投資することを決めています。脱炭素に取り組めば、投資が呼び込めるのです。その裏側は、やはり「投資」。プロフィットが求められているのです。

官の20兆円はいいとして、残りの民の130兆円の投資元の期待値を超えるパフォーマンスが必要です。逆に、パフォーマンスを示すことができれば、さらに呼び込むことができる。その時には、政府の手助けなど不要。

こんなところにも、開示を進める意義・目的が見出せそうです。

社内で、孤軍奮闘されているサス担当の皆様。
一緒に「プロフィットセンター」目指しましょう。

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