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SBTi参加企業数アップデートと金融SBT

月1チェックしている、SBTi参加企業数。
前回はこちら。

着実に伸びていますが、Net-Zero認証を受けている日本企業はまだですね。

SBTi参加企業数(2022年7月20日現在)

先日、初代CEOがYouTubeに登壇して、SBTiのビジョンを紹介したという記事を書きました。目標の提出から認証までの機関も、1ヵ月以内にすべく、キャパを増強しているとしていましたので、ほどなく、日本初のNet-Zero認証企業も誕生することでしょう。

目標設定においては、2種類の方法をとることができます。
1.Absolute Emissions Contraction(総量削減)
2.Sectoral Decarbonization Approach(SDA)

こちらが、SDAの開発状況ですが、まだ5セクターしか完成しておりません。長期と短期、いずれでも採用できますので、短期は1で設定し、長期・Net-Zeroでは完成を待ってというのもありですね。

なお、スコープ3は総量削減だけでなく、原単位削減でもOKです。
ただ、エンゲージメント目標は短期だけですので、ご注意下さいね。

SDA開発状況(7/20現在)

さて、先のnoteでも紹介しましたが、SBTiは金融セクターに期待しています。バリューチェーン全体の削減に当たって、他のセクターよりも、遥かに寄与できると考えるからです。

なので、「企業版SBT」とは別に「金融SBT」を用意しています。

金融機関向けガイダンス
ファンドセクター向けガイダンス
金融機関向けクライテリア

金融セクターだと、「スコープ3≒カテゴリー15」です。
カテゴリー1〜14は、推奨されていますが必須ではありません。
まぁ、その代わり「カテゴリー15」はしっかり算定する必要があります。

でもご安心ください。強力な参考書があります。
それが「PCAF Standards」です。

PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)とは、 Scope3開示圧力の高まりを受けて、Scope3カテゴリー15(投資)排出量の算定基準を開発する必要に迫られた各国の金融機関により結成された組織です。

ガイダンスの中でも、このように紹介されています。

Detailed guidance on the methods to calculate financed emissions per asset class is provided in the Global GHG Accounting and Reporting Standard for the financial industry (PCAF 2020).

FINANCIAL SECTOR SCIENCE-BASED TARGETS GUIDANCE

PCAFのウェブサイトでも、このように謳っています。

Built on GHG ProtocolBuilt On GHG Protocol

The Standard has been reviewed by the GHG Protocol and is in conformance with the requirements set forth in the Corporate Value Chain (Scope 3) Accounting and Reporting Standard, for Category 15 investment activities.

ルールが乱立するよりは、ビルトインしてくれた方が助かりますよね。
ガッツリ読み込んで、学習しましょう。

ところで、世の中は既に「2050年ネットゼロ」へ大きく舵を切っているところ、金融機関もSBTiのNet-Zero認証もめざしたい。

ただ、残念ながらNet-Zero Standardの金融セクター版は、ようやく22年2月にパイロットフェーズが終了した段階で、23年のCOP28を目処に開発を終了、ローンチの予定となっています。

ですので、金融セクターについては、Net-Zeroの審査は現在行われておりません。まぁ、2050年がターゲットの目標ですので、まずは粛々と短期SBTを実行していけばよいですが、動向が気になるところ。

進捗については、随時ご案内していきます。
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