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移行期間のCBAMルールを考える(5)

今年23年10月から、CBAMの報告義務が始まり、報告期間限定の実施規則のドラフト及び附属書が公開されたことを受けて、4回に亘って読み込んできました。

4回目では、「個人も対象になるんだ」というお話をしました。

今回も、第5章 無視できる価値の貨物の続きをもう少しだけ。
同章には、このような項目もあります。

(c) goods to be moved or used in the context of military activities pursuant to Article 1, point (49), of Commission Delegated Regulation (EU) 2015/2446 ( 23 ).

CBAM Regulation Article2 3より

そう、案の定ですが、軍事関係は対象外となっています。

まぁ、現段階で、軍事関連の排出量については、開示の枠組みが無いので、当然と言えば当然。確かに、スコープ1・2が詳らかにされれば、戦略を開示しているのと変わらないかも。

その他、気になった条文を抜き出しておきます。

[前文]
(72)気候クラブ設立すべき。
(82)本規則に基づく委任法および実施法を適時に採択できるようにするため、本規則は欧州連合官報に掲載された翌日に発効するものとする。(普通は20日後)

第30条(2)
第32条の経過措置期間が終了する前に、欧州委員会は欧州議会および理事会に対し、本規則の適用に関 する報告書を提出しなければならない。

第30条(3)
移行期間終了の少なくとも1年前までに、欧州委員会は、欧州委員会に報告書を提出しなければならない。

附属書Ⅳ 4.1
電力以外の規定値を、移行期間に収集された情報、最新かつ信頼できる情報に基づき設定。

附属書Ⅳ 4.3
25年6月30日までに、間接排出量の規定値の計算方を規定する実施規則採択。

CBAM規則より

[前文]
(9)24年末まで、計算方法の一時的な緩和を認める。
(10)24年7月末まで、別の算定方法を使用、参照可能。
(16)管理負担を最小化するため、CBAM移行登録は既存の税関システ ムと相互運用可能であるべき。
────────────────────
第8条 CBAM報告
各四半期の終了後1ヵ月以内にCBAM移行レジストリへ提出

第9条CBAM報告の修正と訂正
2ヵ月以内は修正可能

第16条罰則
未報告の場合10〜50ユーロ/トン

第38条 データ保持期間
報告書受領から5年間

実施規則より

この中でめぼしいのは、下記点ぐらいでしょうか。

・移行期間のデータを元に規定値が設定される
・移行期間開始1年は緩和措置あり
・四半期終了後1ヵ月以内に報告
・四半期終了後2ヵ月以内は修正可能
・罰則がある

規定値を定める実施規則については、間接排出については25年6月30日という期限が明示されている一方、直接排出については記載が無いのが不思議ですが。

提出義務だけが課せられる移行期間は、今年23年10月に始まりますが、実際に報告が上がってくるのは、24年1月末。

各社、どのような対応をしてくるのか、欧州委員会がどのような修正を入れてくるのか、目が離せませんね。

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