今年の10月から始まる、報告義務だけが課せられるCBAMの移行期間に適用されるルールについて、CBAM規則及び実施規則・附属書を参照しながら、主に算定周りを確認してきました。
3回目はこちらです。
具体的なルールが記載された附属書は一通り読んだので、最後に、CBAM規則と実施規則に目を通していきたいと思います。
まず、気づいたのが、第2条3項。
第2条は「Scope」つまり、適用範囲を定めている条項になります。
第1項が原則。まぁ、お決まりの記載内容。
第2項は「関税地域」の詳細な説明なので省略。
で、第3項が例外規定ですが、(b)にしっかりと「personal」との記載があります。
EU域内への輸出の話なので「個人は関係ないよなぁ」と思っていましたが、言われてみると「確かにそう」って感じ。「対象セクター」の製品を、お土産で持ち込んでも対象となるのですね。
で、「無視できる価値」を確認してみました。
どうやら、150ユーロ以下のようです。
ということは、150ユーロを超えるCBAM対象製品を、フェデックスで送ったとしたら、CBAM証書を購入しないと駄目なのでしょうか?
とはいえ、認定CBAM申告者以外は輸出入禁止。
そうでなくても、四半期毎に報告もしなければなりませんから、たとえ自身が算定を行ったとしても、対応してくれるクーリエはいないでしょう。
対象となる物品は、およそ個人で扱うようなものではないので問題無いとは思うものの、今後、例えば「日本酒」などが対象となれば、輸出に活路を見出している老舗酒蔵などは、影響があるのでは?と心配になったりします。
このあたりは、対象拡大の際に、しっかり手当してくるでしょう。
税を徴収する側は、頭の良い人が多いですから。
ということで、疑念点を指摘したところで、続きは次回にしたいと思います。
もう少し、お付き合いくださいませ。