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GHGPのLSRガイダンス、23Q4なのか?

GHGプロトコルが開発中の、Land Sector and Removals Guidance。

土地利用変化や森林、農業などの吸収量算定ルールの大本命とみられており、SBTiがFLAGセクター別ガイダンスを、22年9月にリリースして以来、俄然その動向が注目されていたのは、皆さんもご承知の通りかと思います。

もちろん私もウォッチしており、23年Q2の予定が24年Q2へ一年延期された際も、現状と共にお届けしました。

目標設定のデファクトスタンダードであるSBTiとしては、算定ルールのデファクトスタンダードであるGHGPとは一心同体なわけで、修正が入れば、併せてアップデートする旨公言しておりました。

そんな中、SBTiはFLAGセクター別ガイダンスをアップデート。
すかさず、昨日ご案内したところ。

ですが、昨年末、GHGPは現状を報告していました。
様々な要因が説明されていましたが、結局はさらに半年遅れるようです。

開発プロセスを見ると、パイロットテストからのフィードバックを精査してドラフトをリビジョン、最終版作成に時間がかかっているようですね。
「Q2-Q3/2023」が「Q2-Q4/2023」となっています。

それを受けて、最終版に取りかかるのが今年2024年に入ってからとなり、リリースが2023Q4というタイムラインになっています。

SBTiも、2023年半ばから2024年半ばへと延期になった際、すでに、FLAGのスタートアップガイダンスを変更し、FLAG目標提出に当たっては、当初は期日を入れいたところ、「GHGプロトコルのガイダンスの最終版がリリースしてから6ヶ月以内」というように、外してしまっています。

FLAG-Getting-started-guide_V1.1及びV1.0より

算定のガイダンスが必要なことは、誰も否定しません。
事前調査も、それを物語っています。

算定できていないのは、ルールが無いから。当たり前です。

しかしながら、REDD+がウォッシュ批判に晒されているように、クレジットの効果や正当性については疑問の目が向けられているのも事実。悪貨が良貨を駆逐することがあってはならず、GHGPが、慎重に開発を進めていることは評価します。

ガイダンス開発体制

なので、個人的には、遅れることに対しての外野のノイズに惑わされず、しっかりとした議論を経て、誰からもクレームがつかない、それでいて、実行可能(Doable)な最終版をリリースしてくれることを期待します。

昨年は、ISO14068−1がリリースされ、堂々と(?)カーボンニュートラリティが宣言できるようになりました。バイオマスやCCSなど、吸収除去量を活用するスキーム、イニシアチブの活動も活発です。

日本国温室効果ガスインベントリ報告書 2023年」では、マングローブからの排出・吸収量が盛り込まれ、2024年報告書からは、海藻・海草についても報告される予定となっており、ブルーカーボンも立ち上がってきます。

ということで、お膳立てが揃った段階でリリースされる、ガイダンス。
手ぐすね引いて待っていたいと思います。


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