GHGPのLand Sector and Removals Guidanceは24年半ばにリリース
昨年のSBTの注目トピックの一つが、FLAG向けガイドラインのリリースだったことは、ガッテンしてもらえるところだと思います。
SBTiも、このような問題意識の元、鋭意開発を行い、タイムライン通りにファイナライズ、最終版をリリースしました。
私としても、その内容について5回に亘ってご案内したところ。
さらに、リリースから6ヵ月の周知期間を経た23年4月1日から発効となるのに併せて、再びFLAG目標設定方法について、3回に亘ってご案内しました。
ここで、おさらいをしておくと、FLAG目標を設定しなければならない事業者の判断基準は、AとBの2種類がありました。
また、FLAG目標の提出期限は、SBT認定を受けた期日にしたがって、下記のように異なっていました。
さて、ここで、GHGプロトコルで開発中の、Land Sector and Removals Guidanceについて考えてみましょう。
SBTiがリリースしている、FAQにはこのような説明があります。
つまり、SBTiのFLAGは「目標設定の方法」であり、GHGプロトコルのLand Sector and Removals Guidanceは「GHG算定の方法」なのですね。
ですので、互いに密接に協力しながら開発がなされ、最終版のLand Sector and Removals Guidanceに、現在公開されているドラフト版から変更があれば、それに併せてFLAGも改訂されるのです。
そのため、Land Sector and Removals Guidanceがリリースされるまでは、FLAG目標を設定したとしても修正が必要になる訳であり、「いつリリースされるのか」が注目されてきました。
その時期については、色々なところでアナウンスされていました。
大本営のGHGプロトコルは、遅くとも2023年中という認識だったようです。
他方、SBTiは、このように、2023年半ばまでにリリースと考えていたようです。
果たして、GHGプロトコルから、6月26日に開発状況のアップデートが公表されました。それによると、「最終ガイダンスは2024年半ばに発行される予定である 」とのことでした。
昨年実施された、 パイロットテスト・グループによるドラフトの試行とレビュー・グループのメンバーから寄せられたフィードバックから浮かび上がったトピックが非常に多かったようです。
それらは、以下の11の主要なトピックに集約され、夏の間、これらのトピックに関連する疑問を解決するために、技術作業部会に、11のサブグループが招集される予定とのこと。
このように、技術作業部会が扱うべきトピックの数が多く、トピック間の相互関連性があるため、GHGプロトコルは、Land Sector and Removals Guidanceの発行スケジュールの更新に至ったとしています。
アップデートされたスケジュールは、このようになっています。
説明してきたように、SBTiとGHGプロトコルは、FLAGセクターからの排出量算定とFLAG目標設定との間の整合性を確保するために、これらの活動で協力してきた経緯から、GHGプロトコルのスケジュール変更を受け、SBTiもタイムラインの更新を発表しました。
具体的には、こちら。
まぁ、結局は、最終版を使用してFLAG目標を設定することが義務化される時期が変わるだけで、当初の日限が変わる訳ではありませんので、ご注意を。
特に、2024年12月31日までにFLAG目標の提出が義務となっていた企業の中には「最終版が出てから」と考えていたという企業もあったかもしれませんが、待っていては間に合わないかもしれませんので、お気をつけ下さい。さっさと、始めてしまいましょう。
ということで、周りの状況に左右されずに、できるところから少しずつでも着手していくことが吉です。とにかく、FLAG排出量の算定と目標設定はタフワーク。後で泣きを見ないで済むように、明日からでなく、今日から始めましょう。
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