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ルールメーカーを目指しましょう

サスティナビリティ情報開示のガイドライン。

このところ何度かご案内していますが、
・TCFDガイダンス(TCFD)
・CSRD(欧州委員会)
・気候関連開示規則案(SEC)
にまとまりつつあると認識しています。

さらに、IFRS財団がGroup of Five(CDP, CDSB, GRI, IIRC, SASB)と呼ばれる民間基準設定団体と共に、財務報告とサスティナビリティ報告を扱う基準を統合する形で新たに設立した「ISSB」が「デファクト」に近い位置づけに来るであろうと考えています。

と言いますのも、TCFDを設立したFSBが、ISSBがその後継になると明言しているからです。

とはいえ、まだまだ「ガイドライン」は様々なものが存在しますし、「有価証券報告書」のように法的拘束力があるものでもありませんので、業種や規模、目的、対象とするステークホルダーなどによって、適当と思われるガイドラインに準拠、参照すればよいと思います。

例えば、統合報告書であれば「IRフレームワーク(IIRC)」、サスティナビリティレポートであれば「GRIスタンダード(GRI)」が主要なガイドラインとなるでしょうね。

それを踏まえた上で、気候変動であればTCFD、生物多様性であればTNFDを抑えておくべきでしょう。

前置きが長くなりましたが、最近抱いているのは、このような「情報開示の目的をはき違えている場合があるのでは?」という問題意識です。

気候変動を始めとする外的要因が業績に与える影響、リスクを適切に管理していることを開示するにあたり、その内容及び方法について参照するのがガイドラインだと思います。「自社が行っているリスク管理が有効である」ことを訴求するのが目的でしょう。

ところが、リスク管理を行っているかどうかという「世評リスク」に代表される「二次的リスク」を防御することに重点が移行しているように思えてなりません。

ひと言で言うと、「やっていない」ことによる「風評被害(?)」を回避するために「情報開示」を行っているんじゃありませんか?ということです。

「やっていない」と「物言うファンド・環境NPO」につけ込まれる
「やっていない」と株主総会を無風でやり過ごせない
「やっていない」と自身の地位が危うくなる

見せかけでもいいから、やっておかないと格好がつかない。
なんちゃってSDGs、グリーンウォッシュそのものにもなりかねません。

TCFDでは,組織が気候関連リスクを管理するプロセスの説明を推奨しています。とりわけ,財務情報と同様の正確性とともに,気候変動リスクの定量評価が求められています。これまでとは異なるリスク情報の開示が要求されているのです。そのためこの対応が「二次的リスク」の防御に陥ってしまっては、気候変動のリスク管理とは言えません。

まぁ、「右に倣え」的な、何とも「日本的」な話ではあります。
でも、何度も経験してきたじゃないですか「ガラパゴス」は。

・気候変動
・サスティナビリティ
・生物多様性
・ダイバーシティ
・人的資本

情報開示は、今急速に浸透、進展しているイシュー。
日本も「グローバル化している」ことをアピールしましょうよ。
「危機を機会に変える」が私のモットー。
「ルールテイカー」ではなくて「ルールメーカー」を目指しましょう。


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