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算定と検証の実際

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躓きやすい算定ルールや検証の現場の話を紹介します。
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#CBAM

CBAM抜け道の指摘

先月のFTに、次のような記事が掲載されていました。 簡単に言うと、「現在のCBAMルールには抜け道があるから、目的・効果が達成できないばかりか、グリーンウォッシュも助長する」ということです。 記事では「溶解したものであれば、バージン・スクラップに関係なくゼロ排出とされることから、中国などの低コスト高排出の地域で生産されたアルミ製品が流入する可能性がある、と主張している」とあります。 「業界団体であるEuropean Aluminiumによると、EUの製錬所はアルミニウム

CBAM in motion(5)

2023年10月より導入が事実上確定したEUの炭素国境調整措置(CBAM)について、EY新日本有限責任監査法人が開催したウェビナーの資料を用いながら、内容について見ています。 1回目では概略の説明をしまました。 2回目は、「輸出業務が変わる」ことをお伝えしました。 3回目は、「検証業務が変わる」ことについて考察しました。 4回目は、どのようなビジネスチャンスがあるか、考えて見ました。 5回目は、自分なら…というものを紹介したいと思います。 それはズバリ「CBAM対

CBAM in motion(4)

2023年10月より導入が事実上確定したEUの炭素国境調整措置(CBAM)について、EY新日本有限責任監査法人が開催したウェビナーの資料を用いながら、内容について見ています。 1回目では概略の説明をしまました。 2回目は、「輸出業務が変わる」ことをお伝えしました。 3回目は、「検証業務が変わる」ことについて考察しました。 4回目は、どのようなビジネスチャンスがあるか、考えて見たいと思います。 CBAM関連業務は、大きく分けて5つあると考えます。 1.CBAM対象品の特定

CBAM in motion(3)

2023年10月より導入が事実上確定したEUの炭素国境調整措置(CBAM)について、EY新日本有限責任監査法人が開催したウェビナーの資料を用いながら、内容について見ています。 1回目では概略の説明をしまました。 2回目は、「輸出業務が変わる」ことをお伝えしました。 3回目は、「検証業務が変わる」です。 理由は明らかですね。 CBAMには「法的拘束力」があるからです。 2022年からGXリーグ賛同企業によって検討が進められ、23年4月より試行開始されるGX-ETS。これ

CBAM in motion(2)

2023年10月より導入が事実上確定したEUの炭素国境調整措置(CBAM)について、EY新日本有限責任監査法人が開催したウェビナーの資料を用いながら、内容について見ています。 1回目では概略の説明をしたところです。 2回目は、CBAMが及ぼす影響を、自分なりに考えたいと思います。 何と言っても「輸出業務が変わる」ことですね。 「当たり前だろ」と思われるでしょうが、当該業務に従事する方にとって「CO2排出量の算定」って未知の世界だと思います。 脱炭素に関する人材育成に