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気候変動も生物多様性も〜持続可能な世界を目指そう

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双子の条約と言われる、「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」だけど、後者はどうしても分かりにくいですね。でも、持続可能な世界の実現には、避けては通れません。どちらも一緒に学んで…
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2023年4月の記事一覧

開示の目的は開示ではありません

ESG評価機関のMorningstar Sustainalyticsが、企業がネットゼロに向けたトランジション(移行)経路に合致しているかどうかを評価する新たな格付「低炭素移行格付:Low Carbon Transition Ratings (LCTRs)」の提供を開始するそうです。 「目標に向かって、ちゃんと削減できていますか?」ということをレイティングするという位置づけでしょう。 「サスティナリティクス」はサスティナビリティ周りでは影響力が大きいと思われるので、「また

SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、4月度。 毎週木曜日にアップデートされますので、2023年4月20日現在です。 前回はこちら。 まずは、世界の全体数(2年以内に目標を提出すると約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した数と認証された数の合計)及び認証数です。 全体数の伸びは、先月若干鈍化したものの、巡航速度に戻ってます。 認証数は7月以降は一定で単調増加のトレンドは変わっていません。 ただ、先月からの変化量だけに着目すると、若干事情が異なってます。

EUの反森林法成立、CBAMと同じ構図?

欧州では、反森林法(森林破壊により造成した農地で栽培された農産物を原料とした、パーム油、コーヒー、チョコレートなどの製品の販売を取り締まる法案)が議論されていて、来月23年5月にも発効するようです。 とは言いながら、恩恵に浴すると思われる国・地域から、保護主義だ、リーケージにつながる、零細農家を廃業に追いやる、対象地域・作物が差別的だと、批判されています。 どんな法案かというと、「EUは、熱帯林破壊と関連した生産物の主要な輸入国である」という認識の下、それらを生産するため

内燃機関車の生きる道

EU理事会は3月28日、2022年10月に欧州議会と暫定合意していた、乗用車・小型商用車CO2排出基準に関する規則の改正案を正式に採択しました。 欧州議会は2月14日に同改正案を正式に採択していることから、EU官報掲載から20日後に発効することが決定というわけです。(欧州の立法手続きでは、欧州委員会が法案を提出、EU理事会と欧州議会で採択されれば、めでたく法律になります) 改正案は、「2035年までに全ての新車をゼロエミッション化」、すなわち、同年以降は内燃機関搭載車の生