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国内外の法規をフォローしよう〜省エネ法と温対法は外せない

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毎年毎年改正される、数々の法規、法令。特に気になるのが、この2つ。些細なものから、収集するデータから変わってしまう大幅なものまで、様々ですね。さらに海外も...となれば手に負えま…
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2023年10月の記事一覧

EmbeddedとAttributed

CBAMの移行期間(Transition period)が、2023年10月より始まりました。 2025年12月31日まで26ヶ月かけて、対象セクター企業及び当局が、報告内容・報告、システム運用等々の学びを重ねる予定であることは、ご承知かと思います。 スムーズな導入に当たって、欧州委員会は、ポータルサイトにおいて、ガイダンス資料やオンデマンド動画を提供していると共に、必要な情報をリアルタイムで発信しているので、頻繁にチェックされるのがよいかと思います。 中でも、9月から1

EUのマイクロプラスチック流失撲滅作戦

サスティナブルな社会の実現の文脈で、にわかにCircular Economy(CE)が注目されているのは、皆さんもご案内のところかと思います。 環境政策の最先端を走るEUにおけるサーキュラーエコノミーの原点は、2011年の「資源効率のロードマップ」かと思いますが、2018年のサーキュラーエコノミーパッケージ、2020年のサーキュラーエコノミーアクションプランと、変遷してきました。 その対策の中心は、これまた注目を集めている「マイクロプラスチック」 現在は、3本の柱で施策が

VC IG、MA IGの最終案公開

今年8月「Materiality Assessment Implementation Guidance:MA IG」と「Value Chain Implementation Guidance(VC IG)」のドラフトが、EFRAGからSustainability Reporting Technical Expert Group(SR TEG)とSustainability Reporting Board(EFRAG SRB)に提案されていました。 このときは、5回に亘ってn

FLAGセクターのSHK制度での立ち位置

9月7日に開催された、第7回SHK制度算定方法検討会の内容について、ご案内しております。「調整後排出係数」及び「CCS&CCU」については説明しましたので、最後に「二酸化炭素除去(CDR:Carbon Dioxide Removal)」について、簡単にご紹介したいと思います。 CCUSは、工学的にCO2を回収・貯留・使用する技術でしたが、今回ご案内する「CDR」は、大気から人為的活動によりCO2を除去し、地質・陸上・海洋あるいは製品に持続的に貯留する活動のことです。 この

CA is already in?

2023年10月7日、Gavin Newsom カルフォルニア州知事が、署名したことにより、めでたく「SB253:企業気候データ説明責任法(Climate Corporate Data Accountability Act)」及び「SB261:気候関連財務リスク法(Climate-Related Financial Risk Act)」が成立しました。 各メディアで報道されたので、皆さんもご承知のことでしょう。 簡単に言うと、SB253は「GHGプロトコル(算定基準)に沿

IFRS S1・S2が目指すところ

先日、日本版S1・S2プロジェクトの進捗状況をご案内しました。 月1回以上のペースで鋭意検討中のようなので、当初の予定通り、2023年度中にはドラフトが公開され、パブコメ実施。フィードバックの内容を反映して、2024年度中には確定基準がリリースされるのでは無いでしょうか。 とはいえ、S1・S2は来年2024年1月1日移行に開始する年次報告期間から適用が可能になりますので、任意開示にはなりますが、これに基づいた開示を行ってもよいわけです。 個人的には、将来の日本版S1・S2