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目指せネットゼロ、世界は既に動いてる

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2050年カーボンニュートラルを政府が打ち出す前から、すでに、世界は動いていました。「やるか、やらないか」ではありません。「いつやるか」です。そのために必要な情報を、提供していき…
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#CORSIA

SAFプレミアム共有プラットフォーム?(1)

2023年8月2日、成田空港をプラットフォームに、7社が合同で、SAFの環境価値を証書化、取引することを通じて航空輸送の脱炭素化を図る実証試験に着手することを発表しました。 今回の実証試験における各社の役割、このようになっています。 証書というと、「非化石証書」あるいは「グリーン電力/熱証書」が馴染み深いかと思いますが、基本的に同様で、CO₂を排出しないというScope3環境価値(プレスリリースでの表現)を分離させたものです。共通のプラットフォームを通じて売買するというプ

クレジット活用の強い味方(1)

2年前、NCSAが、6つの森林吸収プロジェクトを「Lighthouses」に指定したことをご紹介しました。NCSA(Natural Climate Solutions Alliance)は、自然気候ソリューションと炭素市場への投資の機会と障壁を特定することを目的とした、マルチステークホルダーグループです。 Lighthousesは、「灯台」という名前が示すとおり、指定されたプロジェクトは、NCSAの厳格な基準に合致しており、実施地域の自然資源、生活環境の保全・改善に寄与する

パリ協定 第6条クレジットの現状(2)

AlliedOffsetsのレポートについて、お届けしています。 前回は、こちらです。 さて、第6条クレジットに関して注目すべき動きがあったのは、ルワンダ、ガイアナ、タンザニアの3カ国でした。 ルワンダは、GSとVerraによって認証されたクレジットに対して最初の認可書(LOA)を発行。 両者とも、前回ご案内したように、創出が容易な「クックストーブ・プロジェクト」です。 ちなみに、LOAとは、ホスト国がその国内で行われるカーボンオフセットプロジェクトを公式に承認し、そ

クレジット動向を勝手予測

かれこれ10数年、国内のカーボン・クレジットに携わっていますが、海外のカーボン・クレジットのダイナミックさには、目を見張ります。 そもそも、国内のクレジットは「半」コンクレ(コンプライアンス・クレジット)の、J-クレジット一択。ただ、方法論が限られ、使い勝手も悪い。 今後、GXリーグから超過排出枠も生み出されるでしょうが、活況を呈する状態となるかは??? 完全なボラクレでは、例えば、フォレストック認証などもありますが、普及しているとはとても言えない状態。(応援したいです

GSがCCP(プログラムレベル)評価を申請

こちらのnoteで、しつこいくらいにお届けしている「高品質なクレジット」 その共通ルールとなるべく、ICVCMが「Core Carbon Principles:CCPs」の第一弾を3月に公開、第二弾を7月に公開して「完全体」になった旨も、いち早くお届けしました。 CCP認証は次の2種類の認証がありますが、ICVCMが行う認証は「1.プログラムレベル」のみです。 「プログラム」とは、例えば、Verraの「VCS」やゴールドスタンダードの「GS」などの「カーボン・クレジット

CORSIA適格クレジットへの道

以前、J-クレジットとJCMがCORSIA適格クレジット(CORSIA Eligible Emissions Units)申請をしたことをお伝えしました。 CORSIAというのは、Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation(国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム)の略で、ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民

ISCC認証について

ISCC(International Sustainable Carbon Certification: 国際持続可能性カーボン認証)という認証スキームをご存知でしょうか。 完全にトレーサブルで森林破壊のないサプライチェーンのための持続可能なソリューションを提供する認証スキームとして設立され、グローバルなサプライチェーンにおいて、あらゆる種類のバイオマスの環境的、社会的、経済的に持続可能な生産と利用の実現に貢献することを目的としています。 グローバルな認証制度であるISC

航空会社のSAF利用による排出量削減

7月12日付の日経産業新聞に、ANAがユーザーを巻き込んだ形でSAF(Sustainable Aviation Fuel)を活用した排出量削減に取り組んでいるという記事がありました。 ANAに限らず、ICAO(国際民間航空機関)に加盟している航空会社は、2020年以降はGHG排出量を増加させないことに合意しており、以下の4つの対策を講じるものとしています。 1.新技術の導入(新型機材等) 2.運行方式の改善 3.代替燃料の活用に向けた取組 4.経済的手法の検討推進 記事

空港カーボン認証のすすめ

ある空港から、クレジットの発注がありました。 Airport Carbon Accreditationに適用できるクレジットを調達したいと。 エアラインのCORSIAは知っていましたが、空港の方は初めてでしたので、調べてみました。 Airport Carbon Accreditation(空港カーボン認証)とは、国際空港評議会(ACI:Airports Council International)が2009年からスタートさせた空港のCO2排出を管理、削減する取組みを評価し、