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高品質なカーボン・クレジットを求めて

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誤解されやすい、カーボン・クレジット。適切に使用すれば、1.5℃目標も夢じゃない!正しい理解をお手伝いします。
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#CORSIA

クレジット動向を勝手予測

かれこれ10数年、国内のカーボン・クレジットに携わっていますが、海外のカーボン・クレジットのダイナミックさには、目を見張ります。 そもそも、国内のクレジットは「半」コンクレ(コンプライアンス・クレジット)の、J-クレジット一択。ただ、方法論が限られ、使い勝手も悪い。 今後、GXリーグから超過排出枠も生み出されるでしょうが、活況を呈する状態となるかは??? 完全なボラクレでは、例えば、フォレストック認証などもありますが、普及しているとはとても言えない状態。(応援したいです

CORSIA適格ユニットの動き

毎週届く、ACXのメルマガ。 世界のカーボン・クレジット市場動向がわかるので、重宝しています。 ACXとは、2023年1月に設立された、シンガポール拠点のカーボン・クレジット取引市場で、全ての取引がオンラインで完結する完全ウェブベース市場です。ブロックチェーンを活用して取引の透明性と信頼性を担保しており、様々な種類のクレジット取引が可能です。 加えて、UNFCCCによる承認を受けているため、CERを取引できるという利点があります。世界で2番目、アジアでは初の取引所であり、

GSがCCP(プログラムレベル)評価を申請

こちらのnoteで、しつこいくらいにお届けしている「高品質なクレジット」 その共通ルールとなるべく、ICVCMが「Core Carbon Principles:CCPs」の第一弾を3月に公開、第二弾を7月に公開して「完全体」になった旨も、いち早くお届けしました。 CCP認証は次の2種類の認証がありますが、ICVCMが行う認証は「1.プログラムレベル」のみです。 「プログラム」とは、例えば、Verraの「VCS」やゴールドスタンダードの「GS」などの「カーボン・クレジット

CORSIA適格クレジットへの道

以前、J-クレジットとJCMがCORSIA適格クレジット(CORSIA Eligible Emissions Units)申請をしたことをお伝えしました。 CORSIAというのは、Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation(国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム)の略で、ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民

ISCC認証について

ISCC(International Sustainable Carbon Certification: 国際持続可能性カーボン認証)という認証スキームをご存知でしょうか。 完全にトレーサブルで森林破壊のないサプライチェーンのための持続可能なソリューションを提供する認証スキームとして設立され、グローバルなサプライチェーンにおいて、あらゆる種類のバイオマスの環境的、社会的、経済的に持続可能な生産と利用の実現に貢献することを目的としています。 グローバルな認証制度であるISC

JクレとJCMがCORSIA申請(4)

国際線を有するエアラインの参加が義務づけられる排出量取引制度、「CORSIA」で使用することができるクレジットとして、J-クレジットが承認されたら、どのようなことができるのでしょうか。 ここまで、3回にわたってご案内してきましたが、一番書きたかったこと。 それは、その活用方法です。 そもそも、カーボン・クレジットとは、目に見えない環境価値を証書化し、流通できるような形態にしたものです。売りたい人と買いたい人が存在することにより「金銭的価値」が発生し、取引が成立します。

JクレとJCMがCORSIA申請(3)

前回は、「太陽光発電設備の導入」方法論によるクレジットを、先行的に申請しようとしている旨お伝えしましたが、実際既に申請済みです。 受理後、3月25日から4月24日までパブコメを受け付けていました。 既に締め切られており、TAB(Technical Advisory Body 技術諮問組織)にて、EUC(Eligible Unit Eligibility Criteria)を踏まえた審査がなされている段階と思われます。 この後、各申請主体へ③勧告がなされ、それに対する修正・

JクレとJCMがCORSIA申請(2)

J-クレジットがCORSIAという、国際民間航空機関(ICAO) が主管する排出量取引制度で使用できるクレジットに申請した、という話をしています。 J-クレジットが申請した理由は明快。J-クレジットの活性化です。 運営委員会でも「2050年カーボンニュートラル実現に資する」として、 活性化策について、検討が続けられています。 2009年の発足当時を知る人間として、このようなPR資料を委員会が作るというのは、つくづく、時代が変わったなぁと思わざるをえません。 確かに、ぎ

JクレとJCMがCORSIA申請(1)

皆さん「CORSIA」ってご存知ですか? 1000人に聞いて、1人もいないと思います。 1 ‰以下。(パーミル:千分率、パーセントより一桁下ですね) それくらいマイナーな仕組みですが、私は非常に関心を持っています。 Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation ICAO(国際民間航空機関)が創設した国際航空における排出量取引制度です。 国際航空と国際海運は、いずれも世界の排出量の約2%