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私的コロナ時代の記録④

【5月9日記録④】
今の時間が過ぎた後には全く違う世界が待っている。時間はたっぷりあるのに自分の自由意志では動けない。この状況は2001年の妊娠期と同じだなと思う。
 5月、いきなりの夏日。まだ冬物を着ている。季節も曜日もわからなくなってきた。マスクが思ったより暑い。2日、設置&引取サービス有の洗濯機だけが届いてしまう。宅配の人が設置してくれるのかと思ったが、出来ないと言われる(当たり前だ)。GW明けにコールセンターに電話するも混雑でつながらない。「しばらくお待ちください」のBGMは大好きな『カント・オスティナート』の3時間版。同じ箇所をループで30分聴くが飽きなかったので、保留音の選曲は大事だなと思う。しかし誤配の原因が「コロナ禍で5月からサービスを中止したから」だという。注文は4月30日。先方都合なので、洗濯機は滞在のみで引き取りに。
 娘のオンライン授業が始まる。予想以上に家族の生活が拘束される。ZOOM回線も同時に使うと落ちてしまう。何より中継機がトイレにあるのでトイレの扉が閉められない。というか何となく授業中はトイレに行けない。
 満月の夜に「ホフッ、ホフッ」と不思議な声をきく。家人がベランダに出ると大きなフクロウが飛んでいったという。野生だろうか。そういえば肩に白いメンフクロウを乗せて散歩する人を観たことがある。満月の明かりで見たのは灰色だったらしいけど。
 雷雨の翌日、森に行くと案の定キノコがいた。初めてみる朱色のコ。2020年度「きのこの時間」はじまる。リアルでも是非開催したい。
 このところ何となく悪夢をみる回数が増えた。パターンはいつも同じで①コンクールがあるのに何も練習してない②ものすごく不条理なステージでピアノを弾く、のいずれかだ。途中で「夢」だと気づいて胸をなでおろす。10代までに刷り込まれた記憶は一生続くのかもしれない。

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