『今日でなくてもいい』
佐野洋子(以下ヨーコさん)のエッセイを初めて読んだのは、2015年頃で、すでにヨーコさんは亡くなっていた。最初に本屋さんでパラパラ立ち読みをしたとき(たぶん『問題があります』だった)、ストレートな物言い(というか口が悪い)でギョッとしたのを覚えている。何この人?変わった人・・という印象だった。でもそんなヨーコさんの文章がすぐに好きになった。
ヨーコさんは日常を淡々とした口調で語る。戦後に壮絶な生活を強いられたり、身内がどんどん亡くなっても、自分がガンで余命宣告された時のことですら、感傷的に語らない。どこか他人事のように淡々と語る。人生はこんなもんだよな、と割り切っている。たぶん私はそこに憧れている。あと、人の何気ない面白い一言や、一面を発見する能力に秀でていて、意地悪だなーと思いつつも笑ってしまうし、その観察力、言語化能力にまた憧れる。
他の作品も定期的に読み返して、生きるってこんなもんだよな、でも変わった人や出来事があってなんか面白いよな、と再確認したい。
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