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コラム|建築学が教えてくれなかったこと| 3/29~4/4のメニカンjournalまとめ

今週のメニカンjournalまとめ

メニカンjournalは、デザイン・建築・都市に関連する最新情報を紹介する企画です。メニカンのtwitterアカウント(@ConfMany)にて毎日更新、現在テスト運用中。ご意見・ご要望・リクエスト等あれば、こちらのフォームからどうぞ!

それでは今週のまとめをどうぞ。最後にコラムもあります。

3/29|ロシア建築における"アメリカニズム"

【展示】CCAで開催中の展示「Building a new New World: Amerikanizm in Russian Architecture(新世界の建設:ロシア建築における"アメリカニズム")」の展評記事。ソ連にとって"アメリカ”とはなんだったのか。地政学的水準から解き明かす意欲的展示。

3/30|都市計画は「メガリージョン(大都市圏)」を目指す

【都市計画】都市計画家のジョナサン・バーネットによる新刊『メガリージョン(大都市圏)のデザイン』の書評記事。「速度十分(fast enough)な鉄道インフラ」の提案など、大都市圏のための新たな都市計画指針を提案。

3/31|いまデザイナーにできること

【いまデザイナーにできること】アメリカのデザイナー協会AIGAの運営するウェブメディアが、デザイナーやクリエイティブが「新型コロナ流行中のいま出来ること」についてのガイドラインを公開。本文はgoogle docsでも公開され、有志の書き込みで成長中。

4/1| ボスボトン市庁舎の建築家、新型コロナで死去

【訃報】ボストン市庁舎のco-designerなどを務めた建築家、Michael McKinnellが死去。新型コロナウィルスで。

4/2|都市レベルの疫病対策、仮設自転車レーン

【都市レベルの疫病対策】コロンビアの首都ボゴタでは、自動車レーンの一部を仮設自転車レーンに転換。ロックダウン下での自転車利用に注目が高まっている現状を伝える記事。

4/3|自宅滞在命令下のシカゴの記録映像

【記録映像】自宅滞在命令が出されたシカゴ。ドローン映像撮影会社「Drone Media Chicago」による、シカゴの街並みを記録した映像が公開中。

4/4|"贅沢品"としての自宅待機、所得格差を反映

【"贅沢品"としての自宅待機】新型コロナに伴う自宅待機命令の中でも、通勤せざるを得ない人々。所得格差と在宅勤務の相関を、スマートフォンの位置データの解析から導いた @nytimes による調査報道記事


今週の担当者コラム|建築学が教えてくれなかったことについて

メニカンjournal、6週目の担当者コラムをお届けします。

今週、特に注目を集めたのは、ニューヨーク・タイムズによる調査報道記事を取り上げた「4/4|"贅沢品"としての自宅待機、所得格差を反映」でした。担当者もまた、この記事を読んで空恐ろしい気持ちになったひとりです。というのも大学や職場で建築や都市について学んできた中で、都市と密接に関わるこうした問題を意識した経験が、これまで殆どなかったことに気づいたからです(あくまで個人的な経験です)。どの国のメディアもコロナウィルスの話題で持ちきりの中、あらためてこれまでの学びそのものを、批判的に見直すことが必要なのかもしれないと思わされた出来事でした。

すこしこの記事を掘り下げてみましょう。記事は、シカゴで介護士(health worker)に従事するAdarra Benjaminさんへのインタビューから始まります。シカゴを含むイリノイ州では、3月20日に自宅滞在命令が発令されました。しかし仕事を続けるためにも、また家族同然の介助先の人々の生活を維持するためにも、彼女は感染リスクを押して通勤バスに乗りつづけているといいます。

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