ブッダ VS クリシュナ
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ここまで見てきたように、アショカ王の紀元前3世紀からシュンガ朝を経て、サタヴァハナ朝によってサンチーやアマラヴァティに仏教美術が花開いた紀元2世紀にいたる期間は、仏教の黄金時代だった。ブッダの法輪は蓮華輪と共にインド全土を席捲していた。
けれど仏教が繁栄する陰で、水面下では不思議な現象が起こっていた。歴代の王たちは仏教を奉じその寺院やストゥーパに莫大な喜捨をする一方、日常生活ではバラモンを敬い、その祭祀に従っていたのだ。
それは民衆の場合も変わら