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チャクラの国のエクササイズ

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ある日テレビ番組を通じてインド棒術と出会った私は、回転する車輪を表しているかの様なその技に魅せられた。そして未だ知られざるインド武術を求めて現地を踏破しローカルな道場を訪ねつつ、… もっと読む
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チャクラの国のエクササイズ 総目次

~インド思想の核心『チャクラ世界観』とは何か?~ プロローグ 第一章 インド武術を求めて …

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プロローグ

その日、仕事を終えて帰宅したのはいつもの様に5時半を回っていた。シャワーを浴びて食事を済…

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第一章 インド武術を求めて:カルカッタの匂いと菩提達磨

前回の投稿はこちら ↓ 2005年11月初旬、私はカルカッタの空港に降り立った。およそ8年ぶりの…

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初めてのインド武術:クシュティ

前回の投稿はこちら ↓ ナットドワラはラジャスタン州南部、レイク・パレスで有名な観光地ウ…

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世界最古の伝統武術:カラリパヤット 1

前回の投稿はこちら ↓ ケララ州のマラバール海岸に位置するカリカット(コジコデ)は、ヴァ…

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世界最古の伝統武術:カラリパヤット 2

前回の投稿はこちら ↓ 一般に、カラリ道場におけるすべての稽古は、東から西へと道場内を縦…

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タミル棒術:シランバム

前回の投稿はこちら ↓ マドゥライはミナークシ寺院を中心に発展した典型的なヒンドゥ教の門前町だ。州都のチェンナイ(マドラス)に次ぐ第二の人口を誇り、タミルナード州南部の中心都市として賑わっている。またこの町は、西暦紀元前後に花開いたサンガム文化の揺籃の地としても知られ、最も純粋なドラヴィダ文化が脈々と伝えられ息づいていた。 明けて2006年の2月、私はマドゥライに到着した。ここは私にとって色々な意味で思い出深い土地だった。交通の要衝に位置し、ミナークシ寺院というハイライト

柱上のヨーガ:驚異のマラカンブ

前回の投稿はこちら ↓ エドワードの案内でやって来たヴィルプーラムは、外国人が訪れるよう…

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アショカ大王とカリンガの戦士たち

前回の投稿はこちら ↓ タミルでの取材を終えた私は一路帰国の途についた。そして旅行中に得…

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第二、第三のチャクラ(車輪)

前回の投稿はこちら↓ ある日、武術取材の合間にプリーの町をぶらついていた私は、ふと見上げ…

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第二章 チャクラ思想の源流:ヴィシュヌ神の原像とスリヤ・チャクラ

前回の投稿はこちら ↓ ブッダの法輪に次ぐ第二のチャクラ・シンボルとして唐突に私の視野に…

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進撃する軍神インドラとラタ戦車

前回の投稿はこちら ↓ リグ・ヴェーダに収められた1028の賛歌の内、インドラに捧げられたも…

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シンタシュタ・アルカイム遺跡の車輪都市

前回の投稿はこちら ↓ 私はインド世界における「チャクラ思想」の源流を求めて、広大なネッ…

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インダスの印章と「チャクラ文字」

前回の投稿はこちら ↓ 2007年11月、私はインド武術と出会って以来3度目の訪印を果たした。今回の旅の目的は、北、西インドの伝統武術を実見する事と、「チャクラ思想とそのシンボル」がインド現地において、具体的にどのような形で展開し継承されて来たかを確認する事だった。 手始めに、前回スケジュールの都合で行けなかったコナーラクの太陽寺院をあらためて訪ね、その威容に圧倒された。寺院は正確に東に向いて建てられ、周囲の壁に据えられた巨大な12組の車輪は一年の季節を表わし、同時に日時