書くってなんだろう


書くことってなんだろう。
思考の具現化?アイデアの記録?
人によってその定義は異なるものだ。

私にとって書くこととは、安心して忘れることである。

私は人よりも些細なことを永遠に覚えている傾向にある。
幼稚園の時に蹴ってきた男の子、人生で初めて容姿を揶揄われた時、小学生の時にいじめてきた友達だと思っていた子、悪ふざけをして大喧嘩した日、友達ができなくて休み時間に一人で廊下をスキップをしていた日々。思い出し始めたらキリがない。
その記憶力の良さは、就活で自分の人生を振り返ったときにメンターの人に引かれたほどである。

だけど、そのほとんどはネガティブなことだった。

もちろん、楽しかったことも笑いすぎてお腹が痛くなったこともあった。
"幸せ"な記憶が無いわけじゃない。
でも、それでも、フッとした時に思い出すのは嫌な記憶だった。

私の自己肯定感は基本低いのだが、振り返ってみると嫌な記憶ばかり潜在的に思い出していたからなのかもしれない。
何かをした時に、「あぁ、そういえばこんなこと昔あったな」とネガティブな記憶を思い出す。容姿を揶揄われたな。いじめられたな。あの頃から自分の価値は無いんだな。
永遠に昔の"呪い"に縛られているのだ。
(自己肯定感や呪いに関しては、また後日書こうと思う)

書くことというのは、そこから抜け出す方法である。
書くことで嫌な記憶を、モヤモヤを、全て文字に込めることで心の中から吐き出すのだ。
もう傷つけてくる人のことを思い出さなくていい。トゲトゲした経験を忘れていい。自己肯定感を下げなくていい。
自分のことを、好きになってもいい。

もちろん普段何かを書く時にずっと意識しているわけじゃないし、ただメモを取るだけに書くことだってある。
100%当てはまるわけではない。

でも、
「あなたにとって書くこととはなんですか?」
もしそう聞かれたら私はこう答えるだろう。

「自分のことを好きになるために、忘れることである」

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