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自粛生活で得たものーオンラインモーニング会やってみたー

前回の記事の最後に次回は、シェアキッチンのお話と予告しておきながらどうしても書きたいことが出来てしまったので差込みました。

「オンラインで食べること」では、誰かと一緒に食べたいという欲求は人間の本能と繋がってるというお話でした、誰かと食事をしたい、食べるという行為の時間を共有することで、共食の代わりとして欲求を満たしているといえます。その欲求をオンライン飲み会や食事会で補っている人が多くいるというお話でした。

前出の記事でも書いていますが、オンラインとリアルでの大きな違いは、視覚、聴覚以外の身体的感覚を共有することができないこと。

ちょいみせキッチンでは一緒に作って食べるということを大事にしたイベントを定期的に開催しています。一緒に調理をすれば、同じ食材を切ることで、硬い柔らかいを共有しその食材の鮮度もわかります。食材の素材の香り、調理が進む工程での香り、スパイスでむせるようなこともあれば、熱い、冷たいという感覚も共有することが出来ます。

オンラインでは、高度な言語表現が必要ですが、微妙にズレが生じます。コロナ禍の時代、他人と共食するためには、全く同じものを場所を変えて食べることである程度の身体的共有が出来るのではないかと考えました。

前置きが長くなりました。

今回は、東海地区の喫茶店では、朝喫茶店に入って飲み物を頼めばトーストやサラダ、茹で卵などがサービスで出てくるモーニングがあります。

緊急事態宣言が出て、多くの喫茶店が営業自粛や時間短縮になり、モーニングに行くことが出来なくなりました。早朝から畑で作業をして、帰りに喫茶店に寄ってモーニング、また次の予定に繰り出すおじいちゃん、おばあちゃん。子ども達を学校に送り出して、ママ友との交流を楽しんだり。
何気ない会話を楽しんでいました。

毎日来ていた人が来なくなれば、あの人はどうしたのだろうと心配したり。
喫茶店はまちのセーフティーネットとしても機能していました。

今回開催したオンラインモーニングは、事前に同じ材料で同じ日に焼いたパンとモーニングといえば小倉トーストが出来るよう特性小倉あん、岐阜市の喫茶星時さんドリップパックのコーヒーを事前にお届けしました。

オンラインモーニングはこんな感じでした。

それぞれが決まった時間に、ZOOMに接続して、おはようございます。いらしゃいと挨拶が行き交い喫茶店っぽい。

食パンのカットの仕方の豆知識など話ながらトーストして、コーヒーの淹れ方のコツやドリップコーヒー製作秘話なんかの話を聞きつつ。サラダや卵などは各自準備。

私はフルーツも乗せたり、豪華にエシレバターなんかも用意しちゃいました。

パンが焼けてくればいい匂い、耳まで柔らかいね、このあんこはどこのあんこですか?という会話やコーヒーを淹れるときに豆が膨らむ様子を伝えたり、モーニングタイムの忙しい時間に聞けないような、店主のこだわりがゆっくり聞けました。

私とは、はじめましての方もいらっしゃいましたが、参加者の誰かとは繋がっているというのもオンラインらしい繋がりかもしれません。

この後、何するの?という会話の中には、
オンラインフィットネスするんですという方もいました。スポーツクラブが主催で、自宅にいながらZOOMでヨガなどを一緒にするそうです。オンライン生活を満喫されてますよね。

それいいね。私も参加したい、他にどんな講座あるの?など、新しい情報を得る事も出来ました。

人との会話が自由に出来ない生活において、インターネットやマスコミの情報は入ってきても、まちのちょっとした話題や生活の豆知識、うんちくのような生きていくうえではちょっと便利だけど、なくても困らない。ある意味、不要不急の会話が新鮮でした。

今回のような新型コロナがあってこそ、何気ない日常が見直されて、気づかなかったことに気づく。ひとり暮らしの人であれば、何日も誰とも話さないという日常は、これまでにない苦痛だったかもしれません。

誰かが煎れたコーヒーを飲む
誰かと誰かが話している会話を聞く
誰かと一緒に食べる

この行為が日々の生活に価値のあることなのか気づいたのではないでしょうか。
不要不急がわたしたちの心を豊かにしていたのです。

会えない、集まれないからオンラインでというのは、代替のコミュニケーション手段としては有効とも言えるでしょう。


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